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スペックV×アルファ8C 怒涛の異種混合バトル

なぜGT-R vs 8Cコンペティツィオーネ?

過去、日本の自動車メーカーから発売された市販車で最も高性能にして最も高価なクルマが、日産GT-RスペックVだろう。3.8リッターV6ツインターボエンジンの最高出力485ps、0-100km/h加速タイム未公表、ニュルブルクリンク北コースのラップタイム7分20秒台前半と推測され、プライスは日本国内で1575万円。前代未聞の日本車である。

対するアルファロメオ8Cコンペティツィオーネは、4.7リッターV8エンジンの最高出力450ps、ニュルブルクリンク北コースのラップタイムは公表されておらず、だいいち公式にニュルブルクリンクを走ったという記録もない。動力性能的にはGT-RスペックVに若干の遅れをとるはずだが、0-100km/h加速4.2秒、最高速292km/hと、超快速なのは間違いない。ちなみに日本でのプライスは2259万円と、スペックVに負けていない。

 そのGT-RスペックVの広報車に乗れる順番が回ってきたとき、もちろんそれ単独で乗ってもいいのだが、似たような性能を持つスポーツモデルと対決させた方が、スペックVというクルマの、さらにいえばGT-Rという自動車のキャラクターが、より明確に見えてくるのではないかと思った。となると、スペックVの相手としてどんなクルマを持ってくるか、そこが問題である。某自動車専門誌は、ポルシェ911GT2をその相手に据えたという。日産とポルシェのトップパフォーマー同士、しかもいずれもターボで過給したエンジンを搭載しているというこの対決、たしかに当を得ているとはいえる。

 しかし、『carview』のために僕が設定したGT-RスペックVの相手は、アルファロメオ8Cコンペティツィオーネだった。搭載エンジンはV8自然給気、駆動方式は後輪駆動、ボディはカーボンファイバー製の流麗な2シータークーペという、いかにもイタリアンなスーパースポーツ仕立てのクルマで、ツインターボで過給したV6エンジンのパワーを独特の4WDシステムを介して路面に伝達するGT-Rとは、まったく異なる成り立ちを持つ。このある意味における異種混合バトルを敢えてやってみることによって、GT-RスペックVの、そしてアルファ8Cコンペティツィオーネのキャラクターが、一段と鮮明に浮かび上がってくるのではないか、という魂胆である。

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