ミニバン専用トランパスがさらなる進化を遂げた
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:トーヨータイヤ
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:トーヨータイヤ
トランパスは3兄弟になったが、それぞれの商品がサイズ展開を含めて明確にターゲットを分けているから、タイヤ選びに悩むことはない。シンプルに言えば、軽自動車・ミニバン・重量級ミニバンの3種類のために「mpZ」「LuII」「LuK」があるのだ。
そしてこの3兄弟化は、細分化による性能の追求と技術の共有化をもたらし、トランパスタイヤの高性能化の土台を築いたのだ。
と言うのも、今までは2つの商品で軽量から重量級までケアしていたが、これからは3つでケアできる。と言うことは、ひとつずつが受け持つべき重量が細分化されたので、今まで以上に担当する重量を絞った専用の作り込みができ、性能を追求できたということ。
さらに言えば、重量やボディサイズこそ様々だが、背の高いクルマが持つ特性は共通しており、タイヤへの要求性能も同じ。言うなれば、基本技術の共有化が可能になり、開発効率が高められるのだ。
例えば、左右非対称パターンのパターン構造。そもそもタイヤが路面に接地している面を分析すると、内側部と外側部では使われるシーンや負担が異なる。靴で言えば、地面への接し方が、かかと側とつま先では違うのに似ている。内側は真っすぐ走っているときに積極的に使われ、外側は頻度こそ少ないが曲がっているときに激しく使われる。それに合わせてタイヤの外側と内側を作り分けるのが左右非対称であり、タイヤの構造は共有しつつ、3ブランドそれぞれが受け持つ重量に対して最適に作りこんでいる。
また、タイヤ表面に刻まれているタイヤの溝パターンは、グリップなどの性能の他に、運転のし易さを生むハンドルからの手応えや、コントロール性、さらには走行音も大きく左右する。このパターンの設計思想も共有化しており、当然シミュレーションより導き出されたそれぞれのタイヤの太さなどにあったデザインを最終的に導き出しているのだ。タイヤの内部構造も同様で、基本技術は共有しつつ、全てを専用に作り込み性能を洗練させているのが最新のトランパスということになる。
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