ミニバン専用トランパスがさらなる進化を遂げた
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:トーヨータイヤ
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前述したような背景により、3兄弟で切磋琢磨したからだろう、3つとも出来が良い。
特に驚かされるのが、軽自動車用に登場した新タイヤ「LuK」。直感で言えば、その性能は「LuII」譲りの上級タイヤとも表現できるもので、「LuII」がターゲットにする高級ミニバンでの静かさや乗り心地を踏まえて開発された技術がそのまま移行された印象を受ける。
具体的には、走っているときの静かさはもちろん、しっとりとタイヤが動く特性が見事。路面の段差を乗り越えても、その振動がすぐに収まる感覚がある。また、軽自動車用サイズのタイヤは、その多くがハンドル切り出しにグニャッとタイヤがつぶれる剛性不足感を感じることが多い印象があるが、このタイヤにはそれがない。これも2トンにも迫る超重量級ミニバンでの安定感を求めて突き詰められた高剛性技術が生きているのだろう。簡単な話が、並みの軽自動車のタイヤなど一蹴できる性能なわけだ。
逆も然りで、経済性意識の高い軽自動車用の「LuK」では、当然の事ながら燃費性能が求められる。そのコンパウンド技術が「LuII」に流れているのか、ストレス無くタイヤが転がる印象が「LuII」にあった。他にも「mpZ」「LuII」「LuK」のどれを取り上げても、フラフラ感はないし、ハンドルがシャキッとしており高速レーンチェンジなどを安心して行える安定感があり、3兄弟ともに総合能力の高いタイヤだ。
ちなみに重箱の隅を付く特性だが、昔のミニバンに多い、足周りがフニャフニャで長時間乗っていると気持ち悪くなるような足回りのクルマだと、タイヤが高剛性過ぎて使い切れない…簡単な話が、タイヤの性能にクルマが付いていけず、突然曲がるような癖などが出る。そのような時は大きめのホイールと組み合わせると、タイヤを使いこなせるようになり違和感が少なくなる。また同時に、サイズ的に履けるからと軽自動車で「LuK」ではなく、「mpZ」などを履くのもお勧めしない。なぜなら、タイヤ性能がクルマを上回るからだ。
それだけ専用に味付け調整されて仕上げられているのが、今回の大革新を迎えたトランパス「mpZ」「LuII」「LuK」の3兄弟なのだ。
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