エクスプローラー試乗。エコブーストの実力!
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:菊池 貴之
いくらターボとはいえ、2トンに達するボディに2リッターではマトモに走らないのではないか? そう思う人も少なくないだろう。しかしそういう人にこそ試乗をおすすめしたい。きっと目から鱗が落ちるはずだ。
「XLT」や「リミテッド」が搭載する3.5リッターV6より21Nm大きいトルクを1000rpm低い数値で発生し、なおかつウェイトが110~150kg軽いため発進加速は十分に力強いし、クルージング状態からアクセルをスッと踏み込んでいったときの加速もスムースそのもの。上り勾配だってへっちゃらで、エンジンだけがうなりを上げて、でもなかなか加速していかない・・・なんてことは一切ない。もちろん、ウェイトがウェイトだけにスポーツカーのような加速は望めないし、昔のアメリカ車のようなドロドロした重厚な加速フィールも味わえないけれど、SUVというジャンルのクルマに求められる動力性能はきっちり確保している。
気になる燃費はというと、高速道路をゆったり流していれば12km/Lは狙える。3.5リッターV6は10km/L程度だから、ダウンサイジング直噴ターボの効果は数字にもしっかりと表れているわけだ。
フットワークで印象的なのは、巨大なボディを感じさせない軽快で素直なフィーリング。カーブが連続するワインディングロードでもリラックスして運転できる。しかし、何よりいいなと思ったのは、安楽の極みともいうべき高速クルージング時の振る舞いだ。元来の直進性の高さに加え、片手ハンドルでも修正舵がバッチリ決まるいい意味で鷹揚なステアリング特性や、優れた静粛性、ゆったりしたバネ上の動きは、ドライバーだけでなく乗員全員に極上の長距離ドライブを提供してくれる。
全長5m越え、全幅2mというサイズが日本に向いているかと問われれば、答えは否だ。しかし、ミニバンに勝るとも劣らないサードシートの快適性を飛びきりのカッコよさで実現しているエクスプローラーは、ファミリーユースがメインだが、たまには夫婦でドレスアップしてお出かけする・・・そんな使い方をしても期待以上の満足感を与えてくれる。また、そもそもゆったりしたサイズこそがアメリカ車の魅力だと前向きに捉えることができる人にも、エクスプローラーは大いに気になる存在になるはずだ。
ちなみに、日本での販売比率は、豊富な装備を誇る最上級グレードのXLTリミテッド(535万円)が40%、XLT(443万円)が30%、XLTエコブースト(443万円)が30%。XLTエコブーストのみFFになるが、個人的に4WDはマストではない。もし僕がエクスプローラーを買うなら、燃費や動力性能、モダンな走行フィールを重視してエコブーストを選ぶだろう。
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