レクサス「LM」が前年比477%増と売れまくり。1500万円超の高額車をヒットさせるトヨタの“したたかさ”

レクサス LM

「4人乗り」はあまり売れなかった…？

一方、ある業界関係者は「6人乗り仕様の登場が大きな要因であることは確か」としたうえで、LM躍進の背景には「トヨタ／レクサスによる方針変更があったことも一因」と指摘します。

「LMのメイン市場である中国では、4人乗りや6人乗り、さらには7人乗りまで、発売当初から複数の仕様が用意されていました。 ただ、日本ではすでにトヨタ『アルファード／ヴェルファイア』が高級ミニバンとして大きなブランド力を持っていたことから、トヨタ／レクサスとしてはそれらとの競合を避ける必要がありました。

そうした方針が、アルファード／ヴェルファイアには設定されていない、4人乗り仕様のみの導入へとつながったと見られます。 結果として、LMが国内に導入されたあともアルファード／ヴェルファイアの販売台数が落ちることはありませんでした。

しかし、それはトヨタ／レクサスの狙いが当たったからというよりも、単にLMの4人乗り仕様が売れなかったというのが実情です。 ただ、これは言い方を変えれば、LMが登場しようともアルファード／ヴェルファイアの人気が落ちなかったということでもあります。

そこでトヨタ／レクサスは当初の方針を変更し、LMとアルファード／ヴェルファイアの競合を必要以上に避けないという方向にしたと見られます。 それに加えて、メイン市場の中国でも思うように販売台数が伸びなかったことから、日本市場向けの割り当て台数を増やさなければならなかったという事情もあると思われます。

それらの事情が組み合わさった結果、日本国内におけるLMの販売台数が伸びたものと考えられます」。