ランチア・デルタに試乗 これぞイタ車の生きる道
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:FCAジャパン
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新型デルタのキャッチフレーズは「THE POWER TO BE DIFFERNT」。とにかく“他とは違うぜ!”が売りなので実際、最初に見た時は多少ギョッとするものの、徐々に慣れてくるとそのサイズ以上のエレガントさを味わえる。それはクラシックかつエレガントな盾型グリルゆえであり、きらめくLED入りヘッドランプゆえであり、全体にちりばめられたデカダンなディテールがゆえだろう。
一方、リアビューは少々現行の日産ムラーノみたいで、個人的には最近のランチアにしてはエレガンスが足りないように思うが、それでも漂う大人っぽさは、他にはないもの。この辺の演出は実にニクい。事実、イタリアにおいてもこの新型デルタは、通行人からやたら振り返られる存在だった。
聞けばこれは社内デザインで、特に有名デザイナーの作ではないようだが、この辺のテイストは、デザイナーの力量もさることながら、イタリアのクルマ社会全体の懐の深さという気がする。こういうテイストを愛し、評価する空気があればこそ可能なクルマなのだ。おそらく日本車が全く同じデザインで出たとしても、日本の社会はコイツを認めないような気がする。残念ながら。
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