ランチア・デルタに試乗 これぞイタ車の生きる道

フラットで大人っぽい走り味

走った印象もまた大人っぽい。試乗した2種類のエンジンはともに6速MTで、そういう意味ではどちらも日本仕様とは全然違っているのだが、どちらも扱いやすさ重視で、2000rpmも回せばトルクはたっぷり、イージードライブを堪能できる。

ステアリングフィールもスポーティさというより安定感重視で、あえてダルな設定にしてあるし、足回りも良く締まっていて、フワフワ感は一切ないものの、それでいてオプションの18インチタイヤを履いていてもほとんどゴツゴツしない。2700mmという非常に長いホイールベースもあって、フラットに大人っぽく走るのだ。

リアシートの居住性にしても日本のハッチバックと同列には語れない。背もたれは適度に寝そべってるし、足元も身長176センチの私が前列に座った状態で、足を楽勝で組みなおせる広さ。

それでいてラゲッジスペースはリアシートのスライド位置にもよるが380～465リッターとそれなりにあり、まさしく日本車でいうところのトヨタ・マークＸや日産ティアナあたり、新手の高級ミディアムセダンぐらいのクラス感なのだろう。