アルピーヌA110は低グリップの専用タイヤを履くドリフトマシーンだった
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之
サーキットを全開走行してハッキリした。このクルマのコンセプトは速さではなく、ドライビングプレジャーなのだ。
今回は富士スピードウェイのショートコースをたった3周しか走れない。スポーツ特性はワインディングで確認済みなので、潔く全開。その1コーナー、自分では4つのタイヤが滑ろうが狙った走行ラインで曲がれると思いきや、クルマ1.5台分ほど外に大きく流れていく。姿勢は安定しており、コントロール性も良く、そこに焦りや不安感がないのは、前後重量配分の良さと、滑りながらも的確にフロントの接地感を出せるフロントダブルウィッシュボーンの効果だろう。しかし、狙ったラインには全く乗らない。
中盤にある右左に連続するカーブ。様々なクルマで何度も周回しているので、アクセルをオフにしてフロントタイヤのグリップ稼ぎながらハンドルを切り込むタイミングも体に染み込んでいるが、またもや狙ったラインに着けない。しかし、ラインを外れながらも姿勢を大きく乱すような事は無くバランスは取れている。要因は一つでグリップレベルが思ったほど高くないのだ。
純正装着タイヤはミシュランの「PS4」(パイロット スポーツ 4)だが、コンパウンドはA110用に専用設計(純正採用マーク付きだけ)しており、一般に売られているPS4よりもグリップレベルを下げているという。狙いはドリフトのしやすさだ。
後にテストドライバーのダビット氏の横に乗って明確になったが、想像よりも低い速度域(サーキットなので非日常レベルで十分に速いが)でタイヤが滑り、それを自在にコントロールする。しかもハンドルの戻し操作へのレスポンスが異常に良い。ハンドルの戻しがラフなドライバーが乗ると、違和感を得るだろうレベルで俊敏だ。この特性のおかげでミッドシップのドリフトを楽しめるし、連続するカーブをひらりひらりと綺麗に走り抜けられるのだろう。
この特性こそ他のミッドシップ、例えば「ポルシェ ケイマン」との違いだろう。ケイマンは高いグリップレベルのタイヤをさらに使いこなすべくボディワークや足周りのセットアップが施され、速さは圧倒的だ。しかしA110のように振り回してドリフトまで楽しめるかというと、クイックな滑りだしなどを含めてコントロールが難しい。
端的に言えば、タイヤの滑りを抑え旋回力を高くして速く走らせよううとするケイマンに対して、A110はドリフトを含めた運転する楽しさをグリップレベルを落としてまで求めていく(それでもミッドシップとして不満の出ない十分な速さだが)と、両者のキャラクターが異なっているのだ。
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