「ムーヴ」が25年度上半期で販売ランキング3位に。“スライドドア化”だけじゃない“ヒットの秘密”と「タント」超えの衝撃度
掲載 carview! 文:koensha 44
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ムーヴがここまで健闘した大きな理由のひとつとして、変わりつつあるユーザーのニーズに適切に対応した点が挙げられる。
かつて軽自動車の購入動機として最も重視されたのは「室内空間の広さ」であり、その象徴として登場したのがタントのような背の高いスーパーハイトワゴンだった。
しかし、軽スーパーハイトワゴンは全高が高く重心が高くなるため、走行時の安定感で標準トールワゴンに一歩譲る面があるほか、重量が増して燃費面で不利になりやすい。こうしたテーマに対応するために、「もっとコンパクトで扱いやすい軽自動車」を求める層が増えている。
ムーヴは、まさにそうしたニーズに応えるモデルだ。
全高は1630mmと、スーパーハイトワゴンのタント(1755mm)より125mm低く抑えられているため、背の高さゆえに起こりやすい横風の影響が少なく、走行時の安定感にも優れる。
また新型は、従来のヒンジ式スイングドアから両側スライドドアへと大転換した点が人気を押し上げている。スライドドアは乗り降りがしやすく、狭い駐車スペースでもドアの開閉に気を使う必要がないため、ファミリー層や高齢者にも使いやすい日常の足として支持を集めているのだ。
ボディサイズは軽自動車規格の範囲内で最大限の居住性を確保しており、後席や荷室の使い勝手も日常用途には十分だ。「必要な広さ」と「扱いやすさ」のバランスが取れたパッケージは、近年のユーザーが求める“ちょうどいい軽自動車”そのものといえる。
また、スーパーハイトワゴンと比較すると価格も抑えられており、ムーヴは135万8500円~なのに対し、タントは148万5000円~と車格や装備内容の違いもあるが、価格差は10万円以上と、経済面もムーヴの強みになっている。
とくに軽自動車ユーザーは維持費や価格に敏感な傾向が強く、車両価格や燃費性能といったトータルコストを重視する購入層には、ムーヴのような標準トールワゴンの存在が再評価されているのだ。
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