ホンダ シビックの大本命、ハイブリッドがついに登場。エンジンモデルに差をつける上質な完成度に注目
掲載 carview! 文:塩見 智/写真:ホンダ技研工業 120
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かつてシビックはホンダにとって非常に重要なモデルだった。1972年登場の初代から2000年登場の7代目までは特に。01年のフィット登場後は、国内で最も売れるホンダ車の登録車はフィットになった。それ以降もシビックはグローバル市場で依然として重要なモデルであり続けたが、8代目ではセダンのみが売られ、9代目は売られないなど、日本市場ではやや宙ぶらりんな存在となった。10代目になって日本でも再び販売されるようになったが、大して売れなかった。
そして21年、11代目が登場。ボディ形状は5ドアハッチバックのみ、1.5L直4ターボエンジン搭載モデルのみというこぢんまりした構成で発売された。奇をてらわない5ドアハッチバックの王道をいくスタイリングで、ディテールも現行のフィット、ヴェゼル、ステップワゴン(発表のみ)あたりと同じように、デコラティブ路線ではなくすっきりとシンプルになった。
とりたててスポーティーではないものの、乗り心地がよく、実用車として十分な動力性能が備わっており、パッケージングに優れ、車室も荷室も広い。乗ってすぐにこれは素晴らしいハッチバックだと感じた。しかし売れゆきはあまりかんばしくない。乗用車販売は依然コロナ禍の影響を受け、半導体不足に悩まされており、本来の実力通りの売れ行きを見せているモデルは少ない。とはいえ月販目標1000台に対し(この目標自体が往年のシビックを思うと寂しいが)、発売翌月の10月こそ1218台(30位)とクリアしたものの、11月から2月まで1000台を割り続け、3月にはとうとう自販連ランキングの圏外(50位に入っていない)となった。
あれほどバランスの取れたモデルが売れないなんて、日本ではどんなによくできていてもハイブリッドがないとオハナシにならないのかもしれない。というわけでシビックに本命のハイブリッドが追加された。昨年のシビック発売時に後からハイブリッドが追加されることがアナウンスされていたので、ここまでの販売台数の低調は、ハイブリッドを選ぶにせよICEを選ぶにせよ、ハイブリッドが出てから比較して決めようという人の買い控えの影響もあったはずだ。
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