出足好調という新型N-BOXの進化ポイントをあらためて確かめた
掲載 更新 carview! 文:藤島 知子/写真:中野 英幸
掲載 更新 carview! 文:藤島 知子/写真:中野 英幸
15インチのタイヤを装着したターボモデルにも試乗した。出足の動きは想像していた以上に滑らか。カスタムは従来よりも静粛性が高められており、遠くで響く少し低音のノイズにはビート感があって、なかなか勇ましいフィーリング。
ステアリングの感触は14インチよりもしっかりとした手応えが与えられている。それでいて、クイックに反応する類のスポーティさとも異なる。多少上下動が早くても、引き締まった足の動きを好むスポーツ派からすると、ストローク感のある足に違和感を覚えるかもしれないが、路面の継ぎ目を乗り越えたときのショックの少なさと操縦安定性をバランスさせているという点ではカスタムの15インチでも快適性は高い。子育て層が家族と乗るクルマだと考えれば、同乗者にとっても嬉しいポイントとなるはずだ。
また、家族や荷物を載せて走ることを想定すると、+αのパワーが欲しくなる。その点、このモデルは高速の合流でアクセルペダルを軽く踏み込むと、1Lエンジン並みのトルクと等加速度的にクルマが前に押し出る気持ちのいい加速フィールを与えてくれる。ちなみに、ターボエンジンには軽乗用車で初搭載となる電動ウェイストゲートを採用。CVTは出足のモタツキが苦手という人もいるが、このCVTは出足の気持ち良さと低燃費を両立してくれる。レスポンスのいい走りを求めるケースだけでなく、ママがドライブしても意のままにクルマの動きがついてくる感覚は、結果的に不安の少ないドライブフィールに結びつきそうだ。
スモールカーとはいえ、やはり気になるのは安全性。予防安全面では全タイプに「ホンダセンシング」を標準装備。前走車への衝突回避支援ブレーキのほか、オートハイビーム、誤発進抑制機能は前方だけでなく、後方にも対応するようになった。さらに、これまでN-WGNで軽トップレベルの衝突安全性5スターを獲得していたが、今回はN-BOXも同等レベルの安全性を目指して設計されたそうだ。
生まれ変わったN-BOX。今の時代のスモールカーに求められる衝突安全性能の向上、できるだけ充実させたい予防安全装備の標準化。さらには、ボディの軽量化と新しいパワートレーンがもたらす走行性能と低燃費。そこに上質感を高めた内外装、ホンダのクルマづくりの原点であるクルマを広く使える工夫も見受けられる。このように、実に欲張りな進化を遂げたN-BOXだが、軽の中でもいま最もホットな市場といえるジャンルだけに、このクラスのライバルとなるダイハツ タントやスズキ スペーシア、日産 デイズ ルークスといったモデルがどう対抗してくるのかが楽しみである。
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