新型MINIクラブマンに箱根で試乗。上級移行で走りはより大人っぽく
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:篠原 晃一
対するクーパーSは文句なしに速いスポーティモデルである。ただ、素のミニ・クーパーSが良くも悪くもヒリヒリとした緊張感を切らさないのに対して、クラブマンは同じエンジンを搭載しても、シレッと落ち着いた乗り味をくずさない。200ps級のパワーと4気筒の重量を完全に支配下に置いている。
いったんクーパーSに乗ってしまうと、今回のような箱根の山坂道では「これくらいのパワーがないと物足りない」と思ってしまった。箱根を真剣に攻めるようなペースになっても、可変ダンパーがソフトなミッドモードのままでアゴを出さない。このようなシーンでは、もちろんスポーツモードのほうが扱いやすいが、乗り心地もさほど悪化せず、神経質さのそぶりも見せない。やはり基本的なフィジカルに余裕があるからだろう。新しい8ATがまた滑らかそのもので、それもまたクーパーSクラブマンの大人っぽさを強調する(※ドライビングモードはGREEN・MID・SPORTの3種類)。
ミニの絶妙な小ささにほれ込んでいたファンの間には「ミニなのに大きいなんて本末転倒」とか「これまでのクラブマンがちょうどよかったのに」という声が出るのは当然だ。ただ、これがミニらしいかどうか、あるいは先代クラブマンの真の後継車はこの新クラブマンなのか5ドアなのか……といった主観的な疑念をひとまず横に置けば、新型クラブマンは非常に完成度が高いクルマである。実用性、パッケージ、品質、操縦性、洗練性、快適性……のすべてにおいて、群雄割拠のCセグで、文句なしのトップコンテンダーの1台だと思う。
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