プジョー3008に試乗! センス溢れる“笑う猫”
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:小林 俊樹
エンジンはBMWと共同開発した1.6リッター直4・直噴ターボ。これに新開発の6速ATを組み合わせる。低速域からわき出る太いトルクと、広いロックアップ領域をもつ6速ATのマッチングは最高で、1.5トン強のボディを軽快に走らせる。一般的にはあまり評判のよくなかったものの、僕としてはダイレクト感と切れ味が大好きだったプジョーの4速ATのいいところだけを抽出し、その上で大幅に洗練してきたという印象。イージードライブだがメリハリのないルーズな感触にならなかったのは大歓迎だ。この最新式のアイシン製6速ATは、国産車からの乗り換え組だけでなく、古くからのプジョー好きにも好意をもって迎え入れられるだろう。
軽快なのに素直、素直なのにスポーティ、スポーティなのに快適という独自のハンドリングが持ち味のプジョーだが、重心の高い3008にもそんな魅力を与えるべく、開発陣が目を付けたのがヤマハのシステムだった。ダイナミックロールコントロールと呼ばれるこのシステムは、リアダンパーの油圧回路を結ぶことで過剰なロールを適度に抑え込む効果がある。逆に言うと、このシステムによってロールを抑えられる分、足を必要以上に固めなくて済むし、快適性も向上するという寸法だ。
事実、3008は素早いステアリングワークを与えても上屋がグラッとロールすることなく、4輪をしっかりと路面に押しつけながら驚くほどスムースにコーナーをクリアしていく。それでいて、路面の凹凸に対しては足をしなやかに動かして衝撃を吸収し、高速道路では見事なフラット感を示すのだから、まるで魔法を見せつけられたような気になる。重心高アップなどまったく意識させられないシュアなハンドリングと快適な乗り心地は、この種のクルマのなかでは間違いなくベストだ。
2列シートの背高系乗用車であるナディアやティーノは、独自の魅力をアピールしきれずマーケットから退陣した。では3008はどうなるのだろうか? コンセプト的には上記の2台と大きくは変わらない。われわれ日本人からしてみれば、それほどの新鮮味はないのも事実だ。しかし、個性的な外観や上質で快適なインテリア、優れた使い勝手、そして何よりセダンにも負けない走りなど、完成度の高さはまったく比べものにならない。
電子制御ダンパーや直噴エンジンなど、日本がアイディアで先行したものの完成度の低さゆえ受け入れられず、後に欧州メーカーが満を持して投入して成功した例は数多い。3008にも同じようなことが言えるのではないか。事実、3008は欧州において発売後9ヶ月で5万9000台を販売する大ヒットモデルになっている。ミニバンまでの広さはいらないが室内の広いクルマが欲しい。しかし個性や上質感、走りの楽しさには妥協したくない…そんな欲張りな人に、3008はおあつらえ向きの一台だ。
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