河口まなぶiQ公道試乗 未来へ繋がる新価値が!
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:編集部、荒川 雅臣
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:編集部、荒川 雅臣
iQには大きな可能性と発展性がある。そう感じた理由は、トヨタとしては久々に新たな価値の提案に踏み切ったからだ。いや正しくは「トヨタにしては珍しく」という表現が相応しいかもしれない。ご存知のようにトヨタは巨大であるがゆえに保守的なイメージも強い。実際ラインナップを見ても市場に対して新たな提案を行うより、他メーカーの提案をさらに上回る方が得意。ゆえに「ホンダが種を蒔き、トヨタが刈り取る」なんて言われたこともある。
ただトヨタが極めて意義ある新提案を行い、確実に世界を変えてきたことも忘れてはならない。近年では1989年に初代セルシオを送り出すと同時に米国でレクサス・ブランドを立ち上げ高級車の世界に大きな影響を与えた。また1997年には世界初の市販ハイブリッドカー・プリウスを送り出し、現在世界中のメーカーが躍起になってこれを追従する現状を作り上げた。こんな具合で保守だけでなく、革新もあったからこそ世界一になったのだろう。
iQに感じるのは、それらに近い感覚。そこには今後の小型車の世界に影響を与える力があると思えた。ただし、iQは商品としてセルシオやプリウスほど判りやすさはない。セルシオはメルセデス・ベンツやBMWという明確な対比の上での新価値であり、プリウスは全くのゼロからの提案で分かりやすかった。
それに比べiQの新価値は、即効性こそないが時間や状況とともにジワジワと効いてくるタイプではないか。なぜならiQの場合も、実はスマートという明確な対比の上での新価値提案を行うが、対比されるスマートの真価を理解する人は特に国内ではそれほど多くはないからである。だからまずは改めてスマートとは何かを記そう。
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