アバルト124スパイダー試乗。市街地・高速・山道で見えた“違い”
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:市 健治
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:市 健治
今回は伊豆で開かれた某試乗会への足としてアバルト124スパイダーに乗っていったのだが、赤いボディはパッと見、イタリアの、そしてアバルトの気分に満ちているから、このデザインは成功といっていいだろう。コクピットも、アバルトのマークを中央に配したステアリングや盤面が赤いタコメーターなどで気分を煽られたところで、スタートである。
まず1.4リッター直4ターボだが、最近のスポーツカーユニットとしては、けっこう白黒がハッキリしたエンジンだといえる。例えば街中で前が空いたとき、3速のまま急にスロットルを踏み込んだりすると、エンジンはカボッという感じで咳き込んで、スムーズにレスポンスしてくれない。どこからでも素直に反応する今どきのターボの多くと違って、ちゃんと適切なギアに入れなさいと、エンジンが語りかけてくるのだ。
つまりこのエンジン、一気に深いスロットル開度を与えたいなら、回転は3500rpm以上に保った方がいいという印象の、高回転トルク型なのである。とはいえ、高速道路をメーターの100km/h、6速の2500rpmでクルージングしている際などには、シフトダウンせずにそのまま軽くスロットルを踏み込めば、スムーズにスピードを上げていく。
6段MTは、レバーの長さ、ストロークとも適度で、スポーツカーらしい歯切れのいいギアシフトを可能にしてくれる。ノブ部分の形状も、手になじむ感じがあって悪くない。というわけで、パワートレーンはスポーツカーとして合格だといえる。
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