新型Sクラス試乗。自動車技術のすべてがある
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:望月 浩彦
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モダンラグジュアリーをテーマにデザインされた内外装は、Sクラスらしい威風堂々としたたたずまいを感じさせつつ、ほどよいスポーティーさも備えている。伝統と新しさのバランスは絶妙だ。デザインの狙いに関してはデザイン統括のゴードン・ワグナー氏のインタビュー(http://carview.yahoo.co.jp/article/testdrive/101794/)を参照していただきたい。
インテリアにもモダンラグジュアリーという考え方が濃密に反映されている。いや、エクステリア以上にインパクトがあると言ってもいいだろう。ダッシュボードからドアへと続く柔らかな曲線、選りすぐりの素材を丁寧に加工したトリム類とスイッチ類、立体的なシート、見た目に新鮮な2本スポークステアリング、好みの色を選べるLED間接照明、オプションのホットストーンマッサージ機能やパフュームアトマイザーなど、まさに贅を尽くした空間である。
そんななか、いかにもメルセデスらしいなと思ったのがリアシートに組み込まれたアクティブベルトバックルとSRSベルトバッグだ。乗員が乗り込むと、まずシートベルトバックルが5度ほどリフトアップするとともに先端部を光らせてシートベルトを着用しやすくする。SRSベルトバッグは、衝突時にシートベルトを約3倍に膨らませて乗員の胸部にかかる衝撃を緩和する。いままで誰も手をつけてこなかったこうした部分に率先して切り込んでいく。これぞメルセデスの本質である。むろん、先代より広くなった膝元空間を含め、後席の快適性に死角はない。
一点、気に入らなかったのが12.3インチのTFT液晶パネルを大胆にも2枚使ったメーターパネルだ。機能は申し分ない。しかし、有機的なインテリアに四角い液晶パネルを無造作に2枚並べたデザインはちょっと興ざめ。ベゼルを付けるなど、周囲の造形に液晶をインテグレートさせるような処理を施せば、全体的な統一感や質感はさらに向上しただろう。
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