異色のハイパフォーマンスモデル。LBX MORIZO RRがスポーツブランド「F」を名乗らなかったワケ
掲載 carview! 文:編集部/写真:トヨタ、編集部 8
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佐々木選手の言及したアクティブサウンドコントロールとは、オプションの「マークレビンソン プレミアムサウンドシステム」に搭載される機能。走行モードに合わせスピーカーから流れるエンジンサウンドが変化するもので、原音を増幅させる方向でチューニングが施されており、さらに各モードの中でも大中小と3段階でボリュームが変化する。
実際に試乗してみると、スポーツモードで音量を最大にするとかなり猛々しい爆音サウンドが車内に鳴り響くが、「サーキットなど限られた場所でヘルメットを被るなら音はバンバン出た方がよく聞こえる。そのような演出を盛り込んだ方が、僕はMORIZOという名前に合致していると思う」と佐々木選手は話してくれた。
これまで、GR86など“本気のスポーツカー”の開発を担当してきた佐々木選手。初めてレクサスのモデルを手がける上で意識したことを聞いた。
「レクサスのイメージで買うお客さんも、GRヤリスのエンジンが載っているクルマのイメージで買うお客さんも、(両方を)裏切らないのが一番のポイント。レクサスらしい静粛性やラグジュアリー性と、GRの速さ、その両方のイメージを裏切らないオンリーワンなクルマを目指した。
レクサスはプライドの高いメーカーなので(笑)、真面目も非常に大切なんだけど、そのレクサスが遊び心を持った。マニュアルの採用もそうですし、機能や効率だけではない“遊び”や“楽しさ”をこのクルマに詰め込むことができた」
2023年度で営業利益5兆円を超えたトヨタ。真面目に、愚直なまでに重箱の隅をつつくようなカイゼンを積み重ねた賜物だろう。ハイブリッド技術で環境技術に先鞭をつけ、道楽と揶揄されながらもGRで走りの味にこだわったトヨタが、今度は無駄を楽しむ遊び心まで身につけた。
「乗って楽しいと思ってもらいたい。そのためには開発するエンジニアたちが楽しいと思える状況を作るのが私の仕事だった。楽しんで開発した彼らの想いがクルマに伝わっていると思うので、そこをぜひ感じてもらいたい。無駄かもしれないですが、それも含めて楽しんでもらえたら(遠藤CE)」
何かと閉塞感の漂う昨今だが、トヨタから今後出てくるモデルたちは、遊び心でさらにクルマ好きを楽しませてくれるに違いない。
(終わり)
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