【ホンダ WR-V試乗】これぞ市場が望む“ほどよいクルマ”なのかもしれない
掲載 carview! 文:塩見 智/写真:編集部 69
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WR-Vは性能や装備において譲れない部分と割り切った部分がはっきりと取捨選択されている。絶対譲れない部分は価格を200万円台前半に留めることだったのだろう。
思うに、このクルマは成熟しつつ疲弊もした日本の自動車市場が望んだ肩肘張らない“ほどよいクルマ”なのではないか。
先進的な運転支援技術の進化、電動化による高効率化、環境負荷の軽減も重要だ。けれども必ずしも自動車ユーザー全員の日常の足が最先端のクルマじゃなくてもよいはずだ。
だって最先端は高価だ。だれかがそのコストを負担してくれるわけではない。電気自動車には補助金があるが、それだって原資は税金だ。
後世の環境は大切だが、現世のQOLも大切。ホンダは必要十分な性能と装備を適価で提供しようとしている。ホンダは出たり入ったりしながらもF1で夢を見せてくれるし、大昔はマスキー法にいち早く対処してくれたし、世界中の蕎麦屋の出前を支えてくれる素敵なメーカーだが、それもこれもWR-Vのような日銭を稼ぐベーシックカーがあるからこそだ。
<おわり>
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