新型Aクラスに試乗。ベースグレードの走りは？

期待通りのメルセデス・クオリティ

フットワークも期待を裏切らない。ステアリングは手応えこそもう少し路面感覚を伝えてくれてもいいかなとは思うものの、レスポンスはなかなかシャープで、切り込んだ瞬間からノーズをインに向けようかとするほどの一体感を味わえる。

そんな切れ味の良さには、リアの抜群の安定性も貢献しているに違いない。状況を問わず接地感は抜群で、おかげで走らせていて安心感があるし、ステアリングを敢えてスパッと切り込んでみても、挙動を乱すことはない。スタビリティも上々。高速域での矢のような直進性には、さすがメルセデスと膝を打った。

但し、乗り心地はそれなりに硬め。普段はほとんど気にならないが、荒れた路面や段差の乗り越えなどの際に、ドタドタと足元で突き上げてくる。あるいはコレ、標準装備のランフラットタイヤのせいかもしれない。試乗車はいずれも18インチタイヤを履いていたことを考えれば、目くじら立てるほどではないのかもしれないが、何しろ今夏にも上陸するであろう新型ゴルフ、あるいは間もなくデビューを迎えるボルボV40など、このセグメントは強敵揃いなだけに、乗り較べればここが引っ掛かるという人は出てくるかもしれない。