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BMW i が加速、デンキにも駆け抜ける歓びを

デンキによりCO2排出の目標値達成を狙う

つまり、こういうことだ。CO2の排出削減はいまや地球規模の課題だ。それにともない、EU(欧州連合)委員会によりメーカーには新車平均CO2排出量の目標値が定められている。2012年から段階的に適用され2015年には新車のすべてが義務化となり、数値が達成できない場合は制裁金が科せられるのだ。

コンパクトカーが中心となるメーカーに比べてBMWはラグジュアリーカーやスポーティカーが多いだけに不利になる。クルマの重量を考慮して目標値が設定されているものの、とくにラグジュアリーカーは軽くはないだけにより多くのCO2削減が必要になる。

2000年、ゲッシェル博士は「2020年にBMWが販売する新車の50%は水素エンジンを搭載している」とスピーチしていた。そのための準備も整い、すでに先代モデルの7シリーズに水素エンジンを搭載した「Hydrogen(ハイドロジェン)7」は量産目前だった。だが、水素供給のための社会基盤が追いつかなかったことは誤算だったのかもしれない。同じ事情を燃料電池・電気自動車も抱えているのだが…。

Hydrogen 7が量産されていれば、クルマから排出されるCO2はゼロなので、BMWもデンキに向けた軌道修正をしなかったに違いない。だが、そうはなっていないだけに新車平均CO2排出の目標値達成を狙うために、ゼロエミッションが実現できるEVの投入は必然の選択となったわけだ。

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