BMWのサブブランド BMW i 発表会場より
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏
昼間の幽霊のように出そうで出なかったBMWのEVモデル専用のサブブランド「i(アイ)」が正体を現した。
現れた場所はお墓ではなくてフランクフルトのメッセ会場、ちょうど1ヶ月後に開催されるモーターショー(IAA)でBMWのブースになる場所である。この後ドイツは夏休みに入るからメッセ会場はずっと閉鎖される。つまり今回のイベントの一部がそのまま使えるという一石二鳥を狙ったわけである。
前置きはそのくらいにして「アイ」について語ろう!
これまでメガシティ・ビヒクルと呼ばれていた全長3.85mのシティ・コミュターは「i3(アイ・スリー)」と名付けられた。電気モーターによる後輪駆動で、出力は170ps、最大トルクは250Nmと発表されている。
ボディはアルミ製のバスタブ(BMW はライフモジュールと呼ぶ)にフルカーボンの4人乗り上屋を乗せたもので、重量は1250kg、同サイズのスチールボディを持つ普通のクルマと比べると300kgは軽い。
その結果0-100km/hは7.9秒、最高速度は150km/h に達する。電気自動車で重要な航続距離は130-160kmで、これで一般的なドライバーの90%は満足できるはずだと、BMWのEV開発担当であるウルリッヒ・クランツは語っている。
搭載されるバッテリーはSBリモーティブ、つまりサムスンとボッシュの合弁会社である。また電気モーターはBMWの自製と発表されている。240Vの家庭電源で6時間あればフル充電が可能で、急速充電は1時間で80%まで可能だ。
この「i3」の生産はBMWのライプチッヒ工場で行われ、それまでにドアミラーなど法規制に従った改良が必要なことはもちろんである。またデザイナーは問題ないと言っていたが、アレだけの薄いボディに観音開きのドアが果たして側面衝突のテストにパスするのか心配になってしまう。
予想価格は4万ユーロから4万5000ユーロ(およそ460万円から520万円となる。同程度の性能を持った一般モデルのおよそ2倍の値段といったところだろうか。
質疑応答の時間に「売るんですか、リースですか、あるいはカーシェアリングですか?」と聞いてみたのだが、ウヤムヤな返事しか返って来なかった…。
BMWは最近ドイツの大手レンタカー会社と「Drive-Now(ドライブナウ)」というカーシェアリング・プロジェクトを立ち上げたので、その可能性は多いにあるはずである。また、「i3」にはレンジエクステンダー仕様もあるという。
2年前のフランクフルト・モーターショーでビジョン・エフィシエント・ダイナミクスという名称で発表されたコンセプトがこのi8である。
ボディはi3と同じようにアルミ製のフロアパン(ライフ・モジュール)にガルウィングを持った4シーター・クーペを乗せたものである。
サイズは全長4.63m×全幅1.96m×全高1.28mで、i3が純EVであるのに対してこのi8はプラグイン・ハイブリッドである。
その構造は少々複雑で、まずフロント・アクスルに電気モーター、センタートンネルにあたる部分にリチウムイオン電池、そしてリアアクスル直前に1.5リッター3気筒ガソリン直噴ターボ・エンジンが横置きされ、さらに一基の電気モーターが組み合わされている。
前述のクランツ氏によれば重量は1480kgと同サイズのクルマと比べると300kgは軽く収まっているという。
また内燃エンジンの3気筒ターボの出力は223psと300Nm、そして電気モーターの出力は130psと250Nm、総システム出力は354ps(260kW)、最大トルク550Nmとなる。
ところでこのi8のプラグイン・システムだが動きも少々複雑である。まず前輪の電気モーターだけを使ってのEV走行が可能である。航続距離は35kmなので、市街地に住む人であれば普段は電気自動車として通勤に使うことも可能である。続いてミッドシップマウントされた3気筒エンジンと電気モーターで後輪を駆動し、ハイブリッド走行が可能である。すなわち充電やブーストを行う。さらにフロントの電気モーターまで動員すれば0-100km/hは4.6秒、最高速度250km/hに達する4WDスーパースポーツカーに変身する。しかも燃費はEU計算値で100kmあたり2.7リッターと驚異的な数字になる。
生産はi3と同じライプチッヒ工場だが、発売は2014年まで待たねばならない。価格も未定である。
ログインしてコメントを書く
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
GRヤリスがついに240万円に!? [本当の]GRヤリス購入に注意したいコト
プライベーターのポルシェが首位躍進。トヨタ2台はペナルティで相次ぎ後退【WEC第3戦スパ/前半レポート】
【途中経過】2024年WEC第3戦スパ・フランコルシャン 決勝3時間後
[新常識]走行距離の短すぎはキケン!? マジでオススメの意外すぎる[良品車]って?
マルティンが独走でポール・トゥ・ウイン。バニャイアはスプリントで2連続リタイア/第5戦フランスGP
後席ドアを開けたら後ろから来た自転車とドカン! 「後席にもミラーがあれば」と思ったらAmazonで売ってた!
ボルボEX30 詳細データテスト 高い動力とほどほどの操縦性 物足りない乗り心地 厄介な監視機能
中古車を狙っている人必見!! 約10時間&450kmの東京-静岡往復でわかった初代アウトランダーPHEVの実力
マセラティやAMGのタクシーも! メルセデス・ベンツ新型「Eクラス」にタクシー仕様はない!?【みどり独乙通信】
ダ・コスタ、ミサノの雪辱果たす逃げ切り優勝。前日優勝のキャシディ2位、日産ローランド3位|フォーミュラE第10戦ベルリンE-Prix
ちょっとクセが強すぎかも? オラ07 試作車へ試乗 モデル3へ並ぶ航続距離 欧州で販売へ
「SUBAROAD」ってなに? スバル車でなくても使える「寄り道ドライブアプリ」で淡路島を旅してわかった賢い使い方とは
若者も注目するアメ車の“異世界”。「ジープ ラングラー」大幅値下げ戦略と日本で人気上昇の背景
どちらがお好み? コンパクトミニバン対決!「新型フリードvsシエンタ」注目ポイントはココだ
オラオラ系エアーに車中泊クロスター。ホンダアクセスの新型フリード用パーツがなかなかイケてる
【えっ、もう受注開始?】新型「フリード」今日から予約可! 6月の発売待ちは悪手。販売店ナマ情報
レクサスLM“3列6人乗り”ついに発売! 4人乗りと何が変わった? 1500万円でライバルは高級SUV
新型「フリード」は2連ラインLEDの未来顔! 「エアー」登場でまさかのステップワゴン方式に
【まさに次期マツダ6?】マツダが中国で発表した流麗な新型セダンの日本導入が“絶対にない”理由
新型「フリード」5月登場! 「シエンタ」も改良で大激戦。デザイン派かコスパ派かでお勧めが違う
【年内納車も!】CX-80日本モデルは6月発表、8月予約開始。発売が遅れた“嬉しい理由”とは?