メルセデス・新型CLS、エコと高揚の最先端へ
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:篠原 晃一
AMGの後でステアリングを握ったノーマルのCLSはどんなキャラなのか。「350 ブルーエフィシェンシー」と呼ばれているので、エコカーなのかもしれない。トピックスはメルセデス初のリーンバーン燃焼を可能とした60度バンクのV6エンジンを実用化したことだ。ハイブリッドではないが、ガソリンエンジンとしてはもっとも先進的な環境技術を持っている。
リーンバーンは英語圏では「ストラティファイド(成層燃焼)」とも呼ばれ、燃料の濃淡を使う高度な燃焼技術だ。「沢山の空気を吸って綺麗に燃える」のがミソだが、その分スロットルを開けるからポンプロスが少ない。それが効率が高い理由だ。リーンバーンは約3千回転前後まで行われているので、この回転を維持して走ると燃費はいい。この技術をモノにしないとガソリンエンジンに未来はないとさえ言われている。
またメルセデス初の完全電動パワーステアリングやアイドルストップを搭載し、燃費が大幅に向上している。環境技術はなにもハイブリッドだけではないのだ。しかし、新しいV6は従来よりもパワーアップしており最高出力306ps/最大トルク370Nmを絞り出す。
ギアボックスは7Gトロニック。AMGとは違ってトルコンATなのでアイドルストップからの発進はとてもスムースだ。エコモードのボタンを押すと、自動的に高いギアを選択するので加速性能はパンチがないが、燃費はいい。鋭く加速したいときは、スロットルペダルを床まで踏み込むとギアが自動的にダウンして加速してくれる。エアサスペンションとエンジンのマッチングもいいので、AMGとはまるで違った乗り味が愉しめた。乗り心地は最良。ベストと言わないのは、それがメルセデスの凄いところでもあるのだが、どんな路面でも90点を取れること。100点と20点ではない。つまりロングツーリングしても、いつも快適なドライブが愉しめるわけだ。
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