MR-SやFJクルーザーもあり? クラウンスポーツに続く新型エンジン車は?
掲載 carview! 文:山本 晋也/写真:トヨタ自動車 38
掲載 carview! 文:山本 晋也/写真:トヨタ自動車 38
2023年秋以降に発売予定のトヨタ「クラウンスポーツ」がクルマ好きの注目を集めています。メディア向けに開催されたプロトタイプ試乗会では走りについての評価も高く、SNSでもスタイリングが好評といえる状況になっています。
さて、もはや触れられることもなくなったほど周知の事実ですが、クラウンスポーツのスタイリングというのはいきなり登場したものではありません。2022年7月にクラウンが4モデル(クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステート)で生まれ変わると発表した段階で、その姿は壇上にありました。
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<写真:クラウンスポーツ>
さらに振り返れば、2021年12月にトヨタは「BEV(バッテリーEV/電気自動車)戦略に関する説明会」を開催、そこに15台のEVプロトタイプを並べました。その中に、クラウンスポーツそっくりの「クロスオーバーEV」というプロトタイプが存在したのです。
しかし、新しいクラウンスポーツはハイブリッドカーとプラグインハイブリッドカーの設定しか発表されていません。これは、どういうことなのでしょうか。欧州などではプラグインハイブリッドカーと電気自動車をまとめて、外部充電で走るクルマという意味の「プラグイン車」という呼び方をすることもありますが、トヨタはプラグイン車という呼び方を認めていないのは業界では知られている話です。
あくまでEV=電動車であり、その中に、HEV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、BEV(電気自動車)、FCEV(燃料電池自動車)の4種類があるというのが、電動車におけるトヨタ用語のあり方です。
ですから、トヨタがバッテリーEVのプロトタイプとして「クロスオーバーEV」を見せたのだとすればBEVの設定があるべきで、クラウンスポーツと名前を変えてHEVとPHEVのクルマに変わってしまうのはおかしなことです。
一方、「クロスオーバーEV」というネーミングが、あくまでEV(電動車)のプロトタイプであることを示していというのなら話は変わります。
前述したようにEVにはHEVやPHEVが含まれるというのがトヨタの流儀ですから、「クロスオーバーEV」というプロトタイプがHEVとPHEVのクラウンスポーツとして量産に入るというのは、けっしておかしな話とはいえません。
<写真:クロスオーバーEV>
2021年12月の発表当時に、「ここに並んだモデルはどれもBEVなのか…エンジンを積んでいないのは残念だ」と思ったユーザーは少なくないでしょう。しかし、15台の中にHEVやPHEVなど、エンジンを積んだクルマとして市販されることになるモデルが含まれていたことは、今回のクラウンスポーツが示しています。
たとえば、いかにもミッドシップを思わせるフォルムの「スポーツEV」については、2021年の時点で「MR-S」の後継的なモデルになりそうという声も多く、電動化時代のライトウェイトスポーツを示すものとして評価されていました。
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<写真:スポーツEV>
このスポーツEVが、量産のあかつきにはクラウンスポーツのようにHEVとして登場するとなれば、車両価格もかなり抑えられるでしょうし、若者向けスポーツカーとしてスマッシュヒットするかもしれません。
流行のクロスオーバーSUVモデルでいえば「コンパクトクルーザーEV」というプロトタイプもHEVやPHEVでの登場を期待したくなる一台でしょう。こちらは2018年で生産終了となった「FJクルーザー」の後継といえるルックスが特徴。プリウスクラスのHEVパワートレインを積んでリーズナブルな価格で登場すれば大ヒット間違いなし、といえそうな魅力的なアピアランスとなっています。
<写真:コンパクトクルーザーEV>
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クラウンスポーツの弟分のようなルックスの「スモールSUEV」も小型SUVのニューフェイスとして市販への期待が高まっている一台。、あらためて見るとフロントベイにモーターとインバーターだけを積むにしてはボンネットが高く、HEVやPHEVを想定した骨格になっているのかもしれません。
いずれにしても、EVのプロトタイプとしてお披露目されたデザインスタディ車が、量産時にはHEVやPHEVとなるのであれば、エンジンが好きで好きでたまらないクルマ好きや、BEVを購入するには予算が厳しいという多くのユーザーにとっては朗報といえそうです。
撮影:三橋仁明(N-RAK PHOTO AGENCY)
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