マツダ デミオは世界基準の国民車候補だがグレード選びが悩ましすぎる
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:編集部
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ここまで、まるでマツダの回し者のようにデミオの走行性能をベタボメしたわけだが、それは100%の本心であると同時に「エクスキューズ付き」でもある。つまり「寸法の小さな車としては望外に素晴らしい走りですね」という意味で、筆者はここまで述べてきた。
いわゆる「小さな高級車」であることは絶対的に間違いない1.5Lガソリンエンジン搭載のデミオだが、とはいえ全長4060mm×全幅1695mmという小ぶりな車であることもまた間違いない。
となるとどうしても、ホイールベース(前輪と後輪との距離)が長く、トレッド(左右の車輪間の距離)が広い、中型以上のサイズを持つサルーンと同等の乗り心地にはならないのだ。前後や左右方向の揺れのようなものが、どうしたってある程度は目立ってしまうのである。
……これを読んで「こいつはバカか?」と思った人もいるかもしれない。小さなデミオと中型以上のサルーンを比較してどうすんだよ、と。
それはもちろんわかる。だが、つい比べてしまうのだ。なぜならば、デミオはドライバーの眼前に広がるインテリアがあまりにも上質かつハイセンスであり、そして乗り味も中型以上のサルーンに通じる部分があるために、詮ないことと知りつつも、「もっと大きいサイズの高級車」と無意識に脳内で比較してしまうのだ。
それゆえ――ここから先は人それぞれの考え方次第だが――デミオの場合は今回のような上級グレードではなく、あえてシンプルな内装と装備類を持つ「15S」という標準グレードを選ぶのも良いのかもしれない。
15Sの内装であれば、もちろんデミオならではの基本的な造形の美しさはありつつも、いわゆる超高級感みたいなものはさほどないため、「実用小型車としてのデミオの良さ」をそのまま素直に堪能できる。
また15Sの2WDは車両価格149万400円とお安いのも大きな魅力だ。なんだかんだ必要なオプションを付けても、諸費用コミの総額は180万円ほどで収まる計算。それゆえ家計的にはかなり嬉しく、またいわゆるコスパも非常に高い。
だが、同時にこうも思う。
「でも上級グレードとか特別仕様車の洒落たインテリアと充実装備も、正直かなり魅力だしなぁ……」
「そもそも15Sだとアダプティブ・クルーズ・コントロールが付かないしなぁ……」
「(ガソリン/2WDの)最上級グレードを選んだところで総額220万円ぐらいで済むわけだしなぁ……」
要するに、悩ましいのである。
まあここから先は好みとフトコロ具合、あるいは店頭での値引き額などに応じて決めるほかない部分であるため、筆者がどうのこうの述べたところで意味はない。述べるべきことは、下記だけだ。
「シンプル系グレードを選ぶにせよ、洒落た上級グレードを買うにせよ、とにかく1.5Lガソリンエンジン搭載のマツダ デミオは、なかなか素晴らしい実用小型車だと思いますよ」
全日本国民車評議会(通称:国民車会議)議長としての勝手な評価まとめは以下のとおりだ。
【マツダ デミオ 15S ミストマルーン(2WD)=178万2000円】
・車両価格:★★★★☆(中身を考えればお安い)
・気持ちよく走れる度:★★★★☆(小型車としては文句なし)
・燃費:★★★★☆(まずまず良好)
・積載性:★★★☆☆(クラス標準)
・おしゃれ度(外観):★★★★☆(良好)
・おしゃれ度(内装):★★★★★(大変良好)
・総合国民車度:★★★★☆
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