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直噴搭載新911ターボ 新型ユニットは合格か

ターボ用PDKにはパドルが出現

というわけで、いわば普通のエンジンがベースになった新型911ターボだが、それにもかかわらずパフォーマンスが確実にアップしているのがポルシェらしいところだ。排気量が3.6リッターから3.8リッターに増えたこともあって、パワーは前期型より20ps上がって500ps/6000rpm、トルクは30Nm増強されて650Nm/1950~5000rpmになっているのだ。しかも新エンジンは、前期型のそれより重量が12kg軽く、構造の違いによって重心も前期型より低いという、パワーやトルク以外のメリットも持つに至っている。

と同時に新型ターボは、トランスミッションにも大きな変化が生じた。基準となるのが3ペダルの6段MTであることに変わりはないが、2ペダルがこれまでの5段ティプトロニックSから、ツインクラッチMTの7段PDKに進化したのだ。さらにそのPDKの操作系にも新しい展開が見られた。ティプトロニック方式を継承したこれまでのステアリングスイッチに加えて、他社のクルマと同様の左がシフトダウン、右がシフトアップのパドルを装着したスポーツステアリングがオプションで選択可能になったのである。ただしこのパドル、フェラーリをはじめとするスーパースポーツが採用するコラム固定式ではなく、量産車に多いステアリングと一緒に回転する方式なのが僕には少し意外だったが、そのタッチは軽くてしかも節度があり、ティプトロニック方式よりずっと操作しやすかった。

それやこれやの結果、クルマ全体の重量が前期型より25kg軽くなり、車重はクーペのMTで1570kg、クーペのPDKで1595kgになった。だから当然パフォーマンスもアップしていて、PDK仕様のクーペの数字で0-100km/h加速が3.6秒、最高速は312km/hに達する。それと同時に燃費が前期型より向上しているのも、また実にポルシェらしい。

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