新型カローラはクルマ版“らくらくホン”?
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:篠原 晃一
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高齢者を強く意識した数々の工夫を凝らしたアクシオだが、走行性能に目を向けると、物足りない部分がいくつか出てくる。低速域での電動パワーステアリングのフリクション(戻りの悪さ)以外、一般道では大きな不満はないが、高速道路に出ると印象は一転。頼りなさが前面に出てきてしまうのだ。
まず直進性が甘い。となれば当然ステアリングの微修正が求められるのだが、センター付近に手応えのないゾーンがあり、なおかつその領域でもステアリングが妙に敏感に効くため、よほどデリケートなステアリング操作をしてやらないと、右に左に蛇行しながらの直進になってしまう。これではリラックスした高速走行はできない。日頃からクルマに乗り慣れている僕でも緊張が解けなかったほどだ。サスペンション、タイヤ、電動パワーステアリングのチューニングは早急に見直す必要がある。
1.8リッターと比べると遮音材を省略しているため、エンジン音、タイヤノイズ、外部騒音の室内への侵入も大きめだ。1.3リッターエンジンは必要にして十分な動力性能をもっているだけに、もう少し静粛性対策にコストをかければオススメグレードになるのだが…。現状では、1.3リッターは高速道路にはほとんど乗らない人のためのグレードと捉えるのが正解だ。
一方、フィールダーの1.8リッターは、1.3リッターのアクシオで感じた弱点がほぼ完全に解決されている。余裕のあるエンジンと相まって、ロングドライブでの快適性は上々だ。ただし、スポーティーなフィーリングを重視しているためか、サスペンションは少々硬めであり、荒れた路面では速いピッチの揺すられ感が気になった。クルマの性格を考えれば、もう少ししなやかでストローク感のある乗り味を狙ったほうが多くのユーザーに喜ばれるのではないだろうか。
このように、1.3リッターのアクシオと1.8リッターのフィールダーはドライブフィールで明暗が分かれる格好となった。少し遅れて登場する本命の1.5リッターモデルがどんな仕上がりを見せるのか、注目したい。
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