Cクラスクーペ海外試乗 C初のクーペの実力は?
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:メルセデス・ベンツ日本
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シャシーは実質的に3タイプを用意する。まずノーマルがあり、更に15mmローダウンのスポーツシャシーが用意される。これはスプリングだけでなくダンパー、そしてアンチロールバーも専用品となる。そしてダイナミックハンドリングパッケージも選択可能だ。こちらは電子制御式減衰力可変ダンパーがセットされ、車高も同様に15mm下げられる。またステアリングギアレシオも、よりクイックな設定となる。
基本的な走りの感触は、当然ながらセダン/ステーションワゴンとよく似ている。しかしながら、特に中立付近ではかなり手応えの軽いステアリングを切り込むと、初期応答性は明らかに良く、メルセデスらしい盤石の安定感を土台としつつも、操舵と同時にノーズをインに引き込もうとするような軽快感を味わわせてくれる。
但し、そのシャープさとロールの繋がりの滑らかさは今イチという感も。強いて言えばフェイスリフト前のCクラスに、ちょっと近い感覚が残っている。同じ基本骨格を用いながら、より落ち着いた味付けのEクラスクーペとの差は明らかだ。こちらの方が車重が軽く、センターピラーも備わるというボディの違いも、こうしたフィーリングの差に影響しているのかもしれない。
絶品の乗り味を示すのは、やはりダイナミックハンドリングパッケージ付きだ。ノーマルモードでの乗り心地は相変わらずの上質感。入力をスッとしなやかに受け止め、縮んだアシをスーッと滑らかに伸ばしていく一連の動きは何度味わっても素晴らしい。おかげで姿勢はフラットに保たれて目線もブレないのだ。
しかしスポーツサスペンション装着車も悪くはなかった。さすがに路面の継ぎ目を乗り越える時などの突き上げは顕著だが、それ以外は快適で、そして適度にスポーティな走りを楽しめる。ノーマルサスペンション車は試せなかったが、見映えやコストパフォーマンスを考えれば、おそらくはこの辺りがいい案配ではないだろうか。
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