乗り比べでわかった雨での確かな安心感。ミシュランが電動化時代でも「エコタイヤ」を作らないワケ
掲載 carview! 文:山田 弘樹/写真:日本ミシュランタイヤ 12
掲載 carview! 文:山田 弘樹/写真:日本ミシュランタイヤ 12
午後からは、日産「エクストレイル」と「PRIMACY SUV+(以下:プライマシーSUV+)」でウェットブレーキングを試した。時速70km/hからのフルブレーキングを新品タイヤと残2mmまでスクラブしたタイヤ(写真:34枚目)でテストを行い、制動距離と制動Gを比較した。
結論から言ってしまうとこの日はテスト中に豪雨となり、新品タイヤが20.2mと、スクラブタイヤの28.2mに圧勝した。スクラブタイヤはブレーキの踏み始めでいきなりハイドロプレーニングを起こして、制動距離を大幅に伸ばした。
ちなみにタイヤがグリップし始めてからの制動Gは、新品の最大1.0Gに対して、0.7Gを発揮。このことから言えるのは、たとえミシュランといえども残溝2mmの状態では、時速70km/hからでもハイドロプレーニングが避けられないということだ。通常の雨量ならもっとその差は少なく、プライマシーSUV+が初期性能をライフ後半でも保つ様子が見られたのだろう。とはいえ、「ミシュランだって魔法のタイヤは作れない」という事実がわかっただけでも大きな収穫だと思う。
ちなみにエクストレイルとプライマシーSUV+の組み合わせも、そのマッチングが素晴らしかった。
“プレミアムコンフォート”を謳う「プライマシーシリーズ」ならではの、ゴムと構造のバランスの良さ。そのしなやかなグリップ性能が、低荷重なウェット路面では高い安心感だけでなく、文字通りプレミアムな乗り味を与えてくれた。今回はウェット路面だったことでロードノイズが打ち消されてしまってはいたが、それでも日産自慢のシリーズハイブリッドである「e-POWER」との相性は抜群だった。
(次ページに続く)
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