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新型プジョーRCZ、胸高鳴るスポーツクーペ

同じ素材もどう料理するかで…

「サウンドシステムテクノロジー」によってグッドサウンドにチューニングされたエンジン音とともに炸裂するパワーフィールも、軽快なフットワークと見事にシンクロしている。255Nm/1700-4500rpmと、ワイドレンジでピークトルクを発生するエンジンは、低回転域でトルクバンドから外れてもかなり粘りを見せる。ギヤダウンを怠けて高めのギヤで走っていても、アクセルを踏み込めばジワジワと加速を見せる、扱いやすい性格だ。

その一方、ワインディングなどでスポーティに走るときは、ついつい高回転まで回したくなるほどピックアップが気持ちいい。最高出力の200psは5500-6800rpmで発生。気持ちよく吹け上がっていくものの、6300rpmくらいで頭打ちになるのがちょっぴり残念。最後のひと伸びがあると、さらに気持ちよく走れる。が、パワーや速さにはまったく不満を覚えることはなかった。

高速道路での乗り心地もよく、ロングドライブも快適に過ごせそうだ。2段階式のアクティブリアスポイラーが装備されていて、85km/h以上では19度、155km/h以上では34度の角度になる。空力性能を適正化することにより、ロードホールディングと燃費のバランスを図っているのだ。もちろん、運転していてスポイラーの動きはまったくわからないが、あらゆる速度域で高い安定性が感じられた。際どいハンドリングのスポーツカーとはまったく一線を画すものだが、久しぶりに心の底から楽しめるスポーツクーペに出会い、ドライブを堪能できた。

スポーツモデルは、エンジンの存在感が大きい。ジェネレーションの違いはあるものの、MINIとRCZはベースを同じくするエンジンを搭載しながら、まったく異なるキャラクターである。そして、どちらもエンジンとハンドリングのマッチングの良いスポーティなモデルとして仕上がっているから興味深い。いずれも、ブランドとしての走りのイメージが極めて明確である点も共通だ。

RCZの「柔」に対してMINIは「剛」。カチッと硬質でギュッと締まったゴーカートフィーリングのMINIに対して、懐深く、ストローク豊かで、粘りのある接地感が特徴的なRCZ。同じキャラクターのエンジンを搭載しながら、ここまで異質の世界観を創り出し、しかもそれぞれに素晴らしいハンドリングを味わえる。あまりにもキャラクターが違うから、両車の間でどちらを購入しようか迷う人はほとんどいないと思うが、クルマ作りの側面からは、同じ素材をどう料理するかという意味で、まさに“好敵手”といえるだろう。

一方、RCZのマーケット的なライバルとして挙げられるのは、アウディTTだろう。スタイリッシュな2ドアクーペで、FF、スポーティで気持ちよく走れるけど尖ってはいないなど、やはりキャラクターは異なるが共通項も多い。プジョー初の“プレミアム”が受け入れられれば、ドイツのプレミアムブランドの一翼を担うアウディTTを脅かす存在となるだろう。RCZの日本への導入は夏頃の予定、価格は400万円を切るくらいからのスタートと予想する。

※編集部注:レポート掲載後の5月21日(金)、右ハンドル・6AT仕様が399万円、左ハンドル・6MT仕様が423万円と発表された。

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