CX-5&CX-8商品改良 「らしくない」ガソリンターボ、ドライブ好きに勧めたい6MT
掲載 更新 carview! 文:河村 康彦/写真:篠原 晃一 2
掲載 更新 carview! 文:河村 康彦/写真:篠原 晃一 2
ところで、そんな今回のCX-5とCX-8のリファインとタイミングを同じくして、今後、すべての商品に搭載予定とアナウンスされたのが、冒頭に紹介した「G-ベクタリングコントロールプラス」だ。エンジントルクを絞ることで前輪荷重を増し、コーナーターンイン時の応答性を高める従来のGベクタリングコントロールに加えて、コーナリングの脱出時にかけては外側前輪にわずかなブレーキ力を加えることで、直進へと戻すモーメントを与えて安定性を向上させる機能を加えたことが「プラス」を謳う新しいディバイスの要ということになる。
ちなみに、ブレーキの「片効き力」を利用するという点では、いわゆるトルクベクタリングを謳うアイテムも同様。ただし、それらがヨーモーメントの発生でターンイン時の回頭性(ヨーイング)を高める機能であるのに対して、こちらはヨーイングを収める復元モーメントの活用である点が根本的に異なっている。その効果を実感するべく、特別に機能のON/OFFスイッチを備えたCX-5で、ワインディング路へとコースイン。が、白状をしてしまうと筆者自身では、実はその機能の働きを明確に体感することは出来なかった。
一方で、同行の編集スタッフやカメラマンなどからは、異口同音に「何かが違う」、「確かに安定して感じられる」というコメント。どうやら、エンジントルクの制御やブレーキ力の発生量いずれもごくわずかにしか過ぎないゆえに、コーナーのターンインやターンアウト時にアクセル操作による荷重コントロールをそもそも無意識に行っているドライバーに対しては、明らかな効果を実感させることは難しいようだ。
いずれにしても、カタログスペック上ではなかなか読み解き辛い機能を積極的に導入することで「もっと良いクルマ」を目指しているのがマツダのスタンス。派手さには欠けるが地道なリファインを続けるそうした姿勢こそが徐々に、しかし確実に「マツダ車が良い!」と指名をしてくれるファンを増やしているに違いない。
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