伝説が満載。日本史に輝く名車「スカイライン」全13世代が3分でわかる保存版まとめ!
掲載 更新 carview! 文:編集部/写真:日産自動車 62
掲載 更新 carview! 文:編集部/写真:日産自動車 62
軽やSUVが売れまくっている令和の日本で、絶滅危惧種となりつつある“国産FRセダン”。そんななか、いま新車で買える数少ないスポーツセダンの1台が「日産 スカイライン」だ。
「スカイラインは昔から知っている存在だし、乗ると面白そう」。そんな密かな憧れを胸に秘めるクルマ好きや、生粋のファンとともに往年のスカイラインの輝きを再体験するべく、初代から13代目まで連綿と続く歴代モデルを振り返ってみよう!
まず、初代スカイラインが誕生したのは、今から66年前の1957年のこと。当時、まだ日産自動車と合併前だったプリンス自動車(当時は富士精密工業)が、小型車規格のボディにクラス最高の60馬力を発生する直4エンジンを開発し、それを積んだ画期的なスポーツセダンを生み出した。
<写真:初代スカイライン 1957年4月~>
モデルライフ途中にはカロッツェリア・ミケロッティがデザインしたスペシャリィティモデル「スカイラインスポーツ」も登場。わずか数十台のみが生産された同車は、今や数千万円の値札が付くヴィンテージカーとなっている。
1963年に登場した2代目は、何と言ってもレースシーンでの活躍が有名。中でも1964年第2回日本グランプリで、絶対王者「ポルシェ 904」をオーバーテイクしたことは今でも語り草となっている。
後に、このレース専用車をベースとした6気筒エンジン搭載グレード「2000GT」が市販化され、スポーツセダンとしてのイメージを確固たるものとした。また、モデルライフ半ばの1966年にはプリンスと日産が合併し、日産スカイラインとなった。
おそらく歴代モデルで最もアイコニックな3代目は1968年にデビュー。ボクシーなスタイリングから「ハコスカ」のニックネームが付けられたこのモデルでは、2ドアハードトップクーペが追加されたこともあり、パーソナルカーとしての立ち位置がより明確となった。
今では独立車種としてジャパニーズカルトカーの代名詞となっている「GT-R」が、スカイラインのスポーツグレードとして初登場したのも3代目のモデルライフ途中だ。
>>3代目スカイライン(ハコスカ)ってどんなクルマ? 画像などの情報はこちら
ケンとメリーのスカイライン、略して「ケンメリ」と呼ばれる4代目モデルは1972年の登場。同時代のアメ車を意識してリフトバック風に処理したサイドビューは、アイコンのサーフィンラインも相まって個性的なイメージを確立し、歴代モデルで最高の約64万台という販売実績をマークした。
リング形状の4灯式リアコンビネーションライトも、この4代目から採用されたディテールとなる。また、4代目モデルのGT-Rはわずか200台弱の生産台数にとどまったため、今では数千万円で取引されるマニア垂涎のモデルとなっている。
>>4代目スカイライン(ケンメリ)ってどんなクルマ? 画像などの情報はこちら
次なる5代目モデルは1977年にデビューした通称「ジャパン」。キャッチコピーとして使われた「SKYLINE JAPAN」にちなむこのニックネームは、先代から一転して直線基調となったエクステリアデザインとともに5代目を記憶に残るモデルとしている。
5代目にGT-Rは設定されなかったものの、途中でターボエンジン搭載車が追加され、スポーツモデルとしての面目躍如を果たした。
>>5代目スカイライン(ジャパン)ってどんなクルマ? 画像などの情報はこちら
1981年に登場した6代目(R30型)からは、「R」で始まる型式が付与されるようになった。6代目で最も著名なグレードは、有名警察ドラマにも登場した「RS」で、4気筒エンジンゆえにGT-Rを名乗れなかったと言われるが、レッドとブラックのイメージカラーは憧れの的となり、現在でも高値で取引されている。
1983年のマイナーチェンジ後のモデルは、グリルレスのルックスから「鉄仮面」の愛称で知られ、こちらも根強い人気がある。
>>6代目スカイライン(後期型は鉄仮面)ってどんなクルマ? 画像などの情報はこちら
7代目(R31型)の登場は1985年。バブル前夜の好景気の中、スカイラインも4輪操舵システムを搭載するなどハイテク化に舵を切り、当初はいわゆるハイソカーとして快適性を重視した4ドアモデルのみの設定だった。
引き続きGT-Rは設定されなかったものの、後に追加された2ドアクーペにはスポーツグレード「GTS」がラインナップされ(4ドア車も後日設定)、さらにはGTSをベースにレースのホモロゲーション取得用にパワーアップした「GTS-R」も加わるなど、スポーティなイメージは維持された。
>>7代目スカイラインってどんなクルマ? 画像などの情報はこちら
バブル真っ只中の1989年に登場した8代目(R32型)は、「超感覚スカイライン」のコピーが与えられたが、一般的には単にR32といった方が馴染み深いだろう。8代目の最も大きな話題は、4代目以来久方ぶりとなるGT-Rの復活。280馬力の直6ツインターボを積み、超ハイテクな電子制御4WDで武装したR32型GT-Rは状態の良い個体だと今や新車時代を超えるプレミア価格で取引されている。
なお、8代目以降はそれまで設定されていたワゴンがカタログ落ちし、4ドアセダンと2ドアクーペのみのラインナップとなった。
>>8代目スカイライン(最高傑作ことR32)ってどんなクルマ? 画像などの情報はこちら
1993年にデビューした9代目(R33型)は、室内空間の狭さが指摘された先代の反省を踏まえ、ボディを大型化。しかし、スポーティな見た目を好む向きからはこの点が敬遠されてしまった。その結果、当初の評判は芳しくなく、1995年に追加されたGT-Rも先代を懐かしむ声が聞かれた。
ただし、R33型GT-Rには関連会社のオーテックが製作した4ドアバージョンが存在するなど、近年では独特な存在感で人気が高まっている。
>>9代目スカイライン(先代R32の陰に隠れた不遇のR33!?)ってどんなクルマ? 画像などの情報はこちら
日産がルノー傘下となる直前の1998年には10代目(R34型)がデビュー。先々代の方向性に回帰したスポーツ路線は長年のスカイラインファンに歓迎され、欧州の資本が入る以前の「技術の日産」を締めくくる最後のモデルとして今でも高く評価されている。
特に、1999年に追加されたGT-RはR32型から続いた直6エンジンを積む世代の最後のモデルとして人気が高く、最終限定車で程度の良い個体は現在7千万円近くで取引されている。
>>10代目スカイライン(第2世代スカイラインの最終型)ってどんなクルマ? 画像などの情報はこちら
ルノー傘下となって初めて登場した11代目(V35型)は、これまでと異なりV型6気筒エンジンを搭載して2001年に登場。北米などではプラミアムブランドのインフィニティから販売されるなど、高級スポーツセダンとして立ち位置を大きく変えてきた。
また、伝統の丸形リアコンビネーションライトが廃された(後に復活)ことなどもあり、従来のファン層からは否定的な評価も出たが、走りの性能は侮れないものがあった。なお、GT-Rについては、2007年に現行のR35型がスカイラインとは完全に別の独立モデルとして登場し、価格帯も一気に上昇した。
>>11代目スカイライン(最初の第3世代)ってどんなクルマ? 画像などの情報はこちら
12代目(V36型)は先代から正常進化する形で2006年に登場。国内ではセダン人気の退潮とともに販売実績を落としていたが、北米等ではV35型が高評価を得ていたため、当初から海外市場を念頭に多額の費用を掛けて開発が進められた。
エンジン排気量がアップしたことや新開発のプラットフォームを採用したことなどにより、先代に比べ走りの質はさらに引き上げられている。
>>11代目スカイライン(V35からさらに高級志向へ)ってどんなクルマ? 画像などの情報はこちら
そして、2014年には現行の13代目(V37型)がデビュー。ダウンサイジングコンセプトに従いR32型以来となる4気筒エンジンがラインナップに加わったほか、モデルライフ途中のマイナーチェンジでは高速道路上でのハンズオフ運転が可能な「プロパイロット2.0」が搭載されるなど、プレミアムモデルとして最先端技術も積極的に採用されている。
V37型のモデルライフは10年近くに達しているが、直近では2代目の2000GTから始まるGTカーとしての素性にフィーチャーした「スカイラインNISMO」もラインナップに加わるなど、スカイラインはそのレガシーを生かし、今なお進化を続けている。
>>日産「スカイライン NISMO」発表 これが最後の純エンジンスカイラインかもしれない
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