ハイラックス試乗 ホンモノの実力を現代の若者はしっかり見抜いていた
掲載 更新 carview! 文:小林 秀雄/写真:市 健治
掲載 更新 carview! 文:小林 秀雄/写真:市 健治
ハイラックスの日本再導入を検討するにあたって、トヨタが当初想定していた購入ユーザーは、約1万台あると思われる既存モデルの保有層だったそうだ。地域別に見ると、最も多く保有されているのが北海道。つまり「これなくしては生活がままならない」という、用途と要求が切実に結びついたユーザーの買い替え需要を、トヨタは見込んでいたということだ。
だが、いざ蓋を開けてみると、現時点で購入層の約60%は20代の若いユーザーが占め、地域別の販売シェアも愛知県や東京都の都市圏が北海道を上回る結果になっているそうだ。なかには初めてクルマを購入したという新規ユーザーも多く、購入理由として「他にはない魅力があるから」というコメントも挙がっているのだとか。「日本仕様は、ゆったりとした後席を備えるダブルキャブのみの展開なので、ファーストカーとして家族の理解も得られやすいのでは」とトヨタの開発陣は分析している。
今回貴重なオフロードでの試乗も体験できたことにより、筆者の中でもハイラックスは、もし本当に買ったら生活を豊かにしてくれるであろうクルマランキングの上位に食い込んできた。初めてのクルマとしてハイラックスを購入している今の20代のユーザーも、それと似た感覚でハイラックスを選んでいるのかもしれない。若者のクルマ離れが叫ばれて久しいが、今の若い人は案外モノの価値をきっちりと見定め、いいと思ったモノには出費を惜しまない傾向もあると聞く。それでしか得ることのできない満足感。ハイラックスが備えるそんな価値を、現代の若者はしっかり見抜いているようだ。
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