カービューロードスター 初優勝までの舞台裏!
掲載 更新 carview! 文:伏木 悦郎/写真:北畠 主税
掲載 更新 carview! 文:伏木 悦郎/写真:北畠 主税
過去3回は、朝から「誰がこない」「何が足りない」とバタバタで、レース中にも多くのミスを重ねていた。しかし、石の上にも3年である。今回は参加受付からピットの設営まで一糸乱れぬ流れでレースに入って行くことができた。
山本カントク率いるピットクルーの準備万端ぶりは目覚ましく、カービュー女子軍の意気込みもいつになくキテいる感じ。ピットの壁面にはスケジュールに加えてレース中の燃費などのデータを克明に記す工程表が貼られ、昨年ペナルティを食らった違反事項を太書きで戒めてある。
車検前の練習走行。30分で4人走らなければならない。年の功でタイヤの皮むきを仰せつかったが、丸々一年ぶりの筑波でジタバタしても…。現役の頃なら“オレがオレが”だったが、今は短時間で納得のタイムが出せる心技体ではない。軽く3周流してタイヤを温存し、残る3人の周回を増やそうと考えた。ここで年長が頑張っちゃうとややこしくなる。なんたって予選担当のランチアを含む全員が去年のこのレース以来の筑波なのだ(驚)
レースは4時間の長丁場。スタートポジションはさほど重要ではないが、チームの士気や他チームに与える心理的な圧力という意味で軽んじるべきものでもない。何より予選は唯一全開走行で競い合える場だ。プライドという点でアタッカーとしては譲れないものがあるだろう。
予選開始直前に雨がパラッと来た。朝から雲行きは不安定だったが予想外の晴れ模様。降るのか晴れるのか。微妙だったので、まずはクォリファイタイムを確保するようランチアに伝えた。
結果は降らず、序盤トップ5圏内にいたゼッケン88番は中段6列目のアウト側12位のポジションに収まった。唯一1分09秒台だったポールシッターの後を12台が10秒台で続く混戦模様。若いランチアは納得していないだろうが、チームとしては闘い甲斐のある悪くない位置だ。
決勝までの間に行われたサポートレースでは時折激しい俄か雨が降りクラッシュが相次いだ。強い日差しと黒い雨雲の早い動き…ドラマの舞台は整いつつあった。
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