【気付ける?】バッテリーから見た目、走りまで…三菱「アウトランダー」の改良が“フルモデルチェンジ級”だった
掲載 carview! 文:編集部/写真:三菱自動車 35
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ワインディングで「ターマックモード」に切り替えると、SUVとは思えない俊敏な走りに舌を巻く。トータルシステム出力が20%アップし、箱根ターンパイク麓の料金所からの長い勾配を、約2.2tのボディを平地かのごとくグイグイと加速させる。
コーナーもS-AWCのおかげでまさにオンザレール。つい楽しくなって、さらにそこに静粛性まで加わるので、速度感覚が麻痺し気がつくといけない速度域に……。2.2tという高重量を悪い言い方をすれば「電子制御で無理矢理」曲げており、高速コーナーでうねりやギャップを拾うとややボディがナーバスな動きをするのが気になるが、限界が近くなればなるほどそれ相応に慣性が働くのでドライバーには高い自制心が求められる。
ついつい「このシステムでスポーティモデルを作れば、どれだけ楽しいクルマができることか」と、幼き頃ランエボに憧れた身としては思ってしまう……。
>>フルモデルチェンジ級に新しくなった「アウトランダー」を写真でチェックする
乗り心地が向上したのも新型のトピックだ。
従来は全体的に張りや硬さを感じたのだが、新型ではサスペンションチューニングと合わせ、タイヤもオールシーズンタイヤからサマータイヤ(ブリヂストン「アレンザ」)へと変更されたこともありしっとりとした乗り心地となっていた。
日本のユーザーは冬にスタッドレスタイヤに履き替えるからこその変更で、走り・乗り心地・静粛性・燃費すべてに良いことづくめとのこと。開発者も「走りのレベルをワンランクアップさせることができた」と言っていた。
長年三菱が大切に育て上げてきたPHEVシステムとS-AWCという唯一無二の組み合わせが、まさに熟成の極みのように仕上がっているが、この出来の良さの秘密を聞いたところ今回なんと新たに十勝にテストコースまで作ったそうだ(!)。
もちろんアウトランダーのためだけではないが、日本・アメリカ・欧州・オーストラリアといったメインマーケットだけでなく、ASEANといった過酷な道路をエンジニアが2年以上走り回って作った力作。新しいテストコースを使い開発されたモデルの第1弾が新型アウトランダーということだが、今後の三菱の走りのレベルがさらに引き上げられるかもしれない。やはりクルマを鍛えるのは道なのである。
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