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頑固さの中にある革新 最新5シリーズ試乗

頑固さの中にある革新性

7シリーズに続いて採用された後輪アクティブステアは最大で2.5度まで拡大されているが、予想外に自然で違和感がない。60km/hまでの速度域では前輪と逆方向に後輪を操舵することで、仮想のホイールベースを短くして取り回しを向上させる。実際に運転していても、4899×1860×1464mm(欧州値)へとボディサイズが拡大されたことを意識させない。

今回、初採用された電動パワーステアリング(EPS)も話題のひとつだ。以前、BMWはボール循環式の操舵方式を5シリーズに最後まで残したが、EPSは早々に5シリーズから採用した。その判断は、吉である。低速でほどよくアシストしてくれて、高速ではもっちりと密度の高いステアリング・フィールを演出する。実は、初期のEPSは小型車用に開発されたものであり、低コスト化を眼目にピニオン部分にモーターを取り付けて簡易的にアシストしていたため、ステアリングフィールに違和感が生じる。しかし、最近では燃費アップの目的で大型車へも採用が広がっており、その際、ラック部分をアシストすることで大出力を発生させ、同時に違和感を抑えることもできる。5シリーズでは当然、ラック型を採用している。

ひとしきり走り終えたところで、ふと後席を振り返る。BMWの中核を担うサルーンについて語るとき、エンジンやシャシー性能が前面に出てしまうのは仕方ないことだが、同時にこのクラスでは後席の快適性や荷室の使い勝手の良さも重要なポイントである。クーペのようなルーフラインからは想像がつかないほど後席の居住空間は広々としており、ホールド性が高いリアシートに座っていても快適な移動は約束されている。スクエアで使いやすそうな荷室にはスキートンネルも装備されており、ビジネスシーンのみならず、プライベートな時間の充実も感じさせる。

これまでBMWは、「駆けぬける歓び」を合言葉に、デザイン性が高く、走りの魅力を持つクルマを送り出してきた。その一方で、最近では「エフィシェント・ダイナミクス」をキーワードにエコ・コンシャスの高さも訴えている。2009年にはヨーロッパで最もCO2排出量を低減した自動車メーカーに選ばれ、2012年のロンドン、2018年のミュンヘンといった持続可能性を重視するオリンピックに協賛するなど、イメージ構築の面でもスポーティであるだけではなく、高効率であることを訴えている。理想的な設計ができる直6エンジンや、駆動を後輪に任せることで素直な操舵フィーリングが得られるFRレイアウトにこだわるなど、頑固なクルマ作りを貫く一方で、斬新なデザインや先進技術を取り入れる革新性もまたBMWの魅力である。新しい5シリーズは、そうした“BMWらしさ”を盛りこみ、着実に進化させている。驚きは少ないかもしれないが、「待ってました!」というファンを確実に喜ばせることができるサルーンではないだろうか。

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