新型Sクラス海外試乗 ボディ・安全・燃費性能
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本
最近の安全技術では、衝突した時の乗員保護性能よりも予防安全に注目が集まっている。先日、日本でも発表された新型Eクラスの「レーザーセイフティ」は実はSクラス用として開発してきたものを、Eクラスが先取りして搭載したもの。さらに、Sクラスにはまるでハイテク満載のイージス艦のような素晴らしい装備も実用化された。その技術はナイトビジョンだが、遠赤外線を使い、人間を温度で感知することができる。ヘッドライトが届かない闇でもメーターに人が赤く映しされる。ドライバーはいち早く歩行者の存在を知ることができるわけだ。さらに、LEDのヘッドライトをつかって三回歩行者にフラッシュする。ドライバーと歩行者の両方に危険が迫っていることを喚起させる。このシステムで歩行者の重傷死亡事故が減ることを期待したい。
面白いことに予防安全で装備したステレオカメラを使い、路面の凹凸を検知できるようになった。アクティブ・サスペンションABCと連携させることで、まるで路面がフラットになったような快適な乗り心地を提供してくれる。「マジックボディコントロール」と呼ばれるが、本当にマジックのようだ。電話帳くらいの段差が週刊誌くらいにしか感じない。アクティブサスペンションがフィードフォワードすることができるようになった。もう、このアイデアには驚きだ。
しかし、気になることもある。大きなうねり路は「マジックボディコントロール」で完璧にサスペンションが動くが、細かい荒れた路面では多少サスペンションが硬く感じられた。その印象をメルセデス・ベンツのエンジニアと話すと、地域によってはランフラットタイヤを設定しているので、そのタイヤと比べるとミシュランPS3は快適なはずとのこと。たしかに。しかし、E63AMGと同じ銘柄のタイヤをSクラスに履くとは予想していなかった。世界一のラグジュアリーサルーンであるが、けっこうスポーティなハンドリングを持っているのだ。
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