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プリウス×インサイト、ほぼ東京マラソン対決

あまりの暑さに耐えきれず

第2セクションは、日比谷公園から品川に向かい、折り返して銀座4丁目交差点へと向かうルート。11.5kmの距離を1時間、つまり平均車速は11.5km/hにとどまり、渋滞がいかに激しかったかを物語る。参考までに、都内の平均速度について説明すると、平均車速が15km/hなら「普通」、20km/hを超えてくると「今日はまあまあ空いているな」という感覚だ。

それにしても、このセクションの燃費結果を見て、2台の値のあまりの違いに驚いた人も多いはずだ。プリウスが第1セクションとほぼ同じ数字を出しているの対し、インサイトは燃費を5割近く落としてきたのである。

実はこれには理由がある。プリウスがアイドルストップ中でも働く電動式エアコンを使っているのに対し、インサイトはエアコンのコンプレッサーをエンジンで回す方式を採用している。だから、渋滞や赤信号で停車したとき、インサイトはアイドルストップと連動してエアコンも止まってしまうのだ。注意深く観察すると、アイドルストップしてもエアコン吹き出し口からはほんのわずかな「そよ風」が吹き、エバポレーター内の冷気を少しずつ車内に導入しているのがわかる。しかしアイドルストップが長引けば冷気は底を突くし、そもそも真夏ではそよ風レベルじゃ足りない!

そんなわけで、あまりの暑さに耐えきれず、インサイト担当のドライバーはアイドルストップしにくくなることを覚悟でECONスイッチをオフにしたのである。おいおい、仕事なんだから暑さなんて我慢して条件は統一しろよな…とお叱りを受けるかもしれない。けれど、実際問題としてヒートアイランド化した灼熱の渋滞道路を、ECONスイッチをオンのまま乗り切る人などほとんどいないだろう。条件を統一することよりも、実際に乗るとどうなのか、ということを重視したテストと考えていただければ幸いだ。

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