新型ノア/ヴォクシーのおススメが断然ハイブリッドな理由。日本一の売れ筋ミニバンに死角はあるのか?
掲載 carview! 文:塩見 智/写真:市 健治 102
掲載 carview! 文:塩見 智/写真:市 健治 102
最優先項目ではないにせよ、GA-C採用によって走りがこれまでよりもよくなったのは間違いない。街なかや首都高を交通の流れにのって走らせると、低重心がもたらすコーナリング時の安定感や気持ちよさを確かに感じた。
パワートレーンはこれまで通りノンハイブリッドとハイブリッドの2本立て。ぞれぞれにFWDと4WDが設定される。ノンハイブリッドは先代と同じ2LガソリンエンジンとCVTの組み合わせ。アクセルペダルの踏み込み量が半分以下の領域では静かで、反応も良好だが、全開にすると途端にエンジン音が高まってやかましい。エンジンを積んでいる限りどんなクルマでもそうなるが、このクルマはその落差が激しい。
ただCVTは進化していて、アクセルペダルを踏むとまずエンジン回転数が跳ね上がってその後にスピードが上がる昔ながらの挙動ではなく、スピードと回転数がある程度連動する制御が入っているので、連続的に高い負荷をかけない限りうるさいと感じる機会は少ない。
1.8Lエンジンとモーターの組み合わせによるハイブリッドは、基本構成こそ従来のシステムと同様ながら、バッテリーが進化した。容量は変わらないが、エネルギー密度が向上し、ユニットを軽量、コンパクトにできたという。例によってモーターのみで発進し、ある程度の速度になるとエンジンがかかるが、ノンハイブリッドほど回転数が上がらないので、全域で静かだ。力強さもノンハイブリッドよりも上。無条件にハイブリッドをオススメしたい。
ハイブリッドの4WDのリアモーターは低ミュー路での発進時だけではなく、幅広い領域で作動する本格派。ドライ路面でも走行安定性の向上に寄与する。評判の高いRAV4ハイブリッドの4WDと同じ考え方だ。クルマ自体が大きく重いので、リアモータートルクの絶対値はRAV4のほうが大きいが、フロントモーターに対するリアモーターのトルクの比率はノア/ヴォクシーのほうが大きいため、前後トルク配分などの自由度はより高い。どこかのタイミングで同じ車台のプリウスやカローラにも採用されるだろう。
短い試乗時間ではハイブリッドのFWDと4WDの違いを明確には感じることができなかったが、減速はリアモーターの回生が使える分、アクセルオフのみで減速する力が大きかった。
元々高かった使い勝手はさらに向上。左右Cピラー間の距離が前のモデルよりも75mm拡大し、車内空間が広がった。上級グレードの左右独立の2列目シートはオットマン、シートヒーター付き。3列目シートを跳ね上げておけばロングスライドが可能だ。3列目シートは跳ね上げた際の張り出しが少なく、ワンタッチのロック機構が付いたため、固定のためのフックも不要になった。もちろん跳ね上げたら斜め後方視界は遮られるが、レーンチェンジアシストをはじめさまざまな予防安全デバイスが備わり、後述する駐車支援システムもあるのでほとんど問題にならない。
3列目シートはサイズ、形状ともに緊急用の域を超えていて、座り心地は良好だ。頭上や足元のスペースも十分なので、2人までならおとなでも長時間過ごせる。3人がけすると中央の乗員は左右シートの割れ目と尻の割れ目を合わせるように座ることになり、居心地が悪い。それぞれの端っこなのでクッション性も不十分。なので8人乗り仕様は事実上7人乗りで、7人乗り仕様は事実上6人乗りだ。最近3列シートのSUVが流行しているが、3列目の快適性は乗降性を含めノア/ヴォクシーのほうが上だ。
助手席側の電動スライドドアを開けた際に出てきて乗り降りしやすくするステップは前のモデルにも設定されていたが、約20万円の高価なオプションだったので装着率は低く、踏み台などを用意していたユーザーが多かった。ドア開閉にもモーターを使い、ステップの出し入れにもモーターを使っていたのが高価な原因だった。新型ではドア開閉と機械的に連動するからくり仕掛けとなって、3万3000円と劇的に価格を下げた。電動スライドドアには後方から接近する車両や自転車などを検知すると、開閉を途中で停止したり開ける動作を無効とする装備も設定。バックドアにもからくりがあって、任意の角度で固定でき、狭い場所での荷物を出し入れしやすくなった。電動バックドア付きは元々任意の角度で固定できる。
試乗車には付いていなかったが、トヨタ・アドバンスト・ドライブがオプションとして設定された。自動車専用道路を0-40km/hで走行時、システムが認知・判断・操作を支援してくれるため、一定の条件を満たせばステアリングから手を離して走行できる。またハイブリッドには並列駐車をアシストしてくれるアドバンスドパークが設定され、初めて前向き駐車にも対応したほか、スマホを使って車外からのリモート操作も可能とした。
毎度のことながらきめ細かく使い勝手のよさを追い求めていて死角が見当たらない。押し出しの強い顔つきはもはや国産車だけのことではなく、珍しくなくなった。作る方は手慣れてきて、見る方は見慣れてきた。発表済みの新型ステップワゴンのほうがクリーンで美しいスタイリングだとは思うが、さてミニバンクラスターはどういう判断を下すだろうか。
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