魔法のハードトップ搭載 新型SLK・海外試乗!
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:ダイムラーAG、メルセデス・ベンツ日本
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:ダイムラーAG、メルセデス・ベンツ日本
新型SLKのバリオルーフには3種類のバリエーションが用意されている。(1)通常のバリオルーフ(2)ルーフがガラス製のパノラミック・バリオルーフ(3)マジック・スカイコントロール搭載のパノラミック・バリオルーフ。このうち(2)のガラス製パノラミック・バリオルーフは、現行SLがひとあし先に採用していたし、他のモデル、たとえばルノー メガーヌ・グラスルーフカブリオレも、電動格納式ハードトップにガラスルーフという組み合わせをすでに実現していた。
では(3)のマジック・スカイコントロールとは如何なる技術なのか? ひと言でいえば、スイッチ操作によってガラスルーフの透明度を変えることができる仕組みとなる。通常時は透明状態を選択することで、風をシャットアウトしつつ明るく開放的なキャビンを実現。夏場など太陽光線の熱さが気になるときはスイッチ操作によってダークガラスにすれば、熱線を80%カットしてくれる。
マジック・スカイコントロールの最大の特徴は、スイッチを押すとガラスの色が瞬時に変わる点。これはガラスに挟み込んだクリスタルに“電圧をかけることで色を変えている”ため。レンズに練り込んだ調光素材の化学変化を利用して、徐々に色を変える調光サングラスとは仕組みがまったく異なる。メルセデスはこの技術を開発した企業と「SLKの発売後1年間は他メーカーに供給しない」という期間限定の独占契約を結んでいるという。つまり、1~2年後にはこの技術を使ったサンルーフが国産メーカーから出てくるかもしれないということだ。
それはともかく、マジック・スカイコントロールはとても素晴らしい試乗体験をもたらしてくれた。通常時は透明ガラスなので明るさは抜群。あらかじめ強めの着色処理を施したダークガラスを使っている(2)のパノラミック・バリオルーフではこうはいかない。ちなみにSLのパノラミック・バリオルーフは透明ガラスにロール式サンシェードを組み合わせているため、サンシェードを開けているときは明るいが、日差しが強いときはサンシェードで空を完全に隠すしかない。その点、マジック・スカイコントロールなら暗くしてもサングラス越しに見る景色と同じ感覚を味わえるというわけだ。例えオープンカーであっても最高水準の快適性にこだわるメルセデスらしいコダワリである。
バリオルーフの出来は相変わらず最高だ。マグネシウム製のフレームで支持されたハードトップは、スイッチひとつでオープン⇔クローズドへの華麗な変身を実現。ソフトトップ装着車には40km/h程度までの開閉を許しているものが多いだけに、動作が時速5km/hまでに制限されるのは少々残念な部分だが、これには安全上の理由に加え、法規制が関係しているという。SLKのルーフはリアフードを後方にガバッと開いてルーフを収納するため、開閉中はリアのライセンスプレートが下を向いて見えなくなる。これが「走行中は常にライセンスプレートが見えていなくてはならない」というEUの法規に触れるため、動作条件を5km/h以下としているのだという。とはいえ、トップの開閉動作は先代よりさらに速くなり、20秒弱で完了する。ちょっと長めの信号待ちなら余裕だし、突然の雨にも即座に対応できる速さだ。
実際にオープンカーと生活をともにしてみると、開閉時間の短さが使い勝手を大きく左右する重要な要素だと実感する。そういう意味ではソフトトップにも捨てがたい魅力があるのだが、マジック・スカイコントロールや素早い開閉を実現した新型SLKのバリオルーフは、電動格納式ハードトップとしてはいまもっともよくできたシステムだと断言できる。
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