新型ポロGTI・解禁! ホットハッチの新時代
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:篠原 晃一
日常域で感じる力強い印象は、鞭を入れても裏切られることはない。2000rpmから4500rpmという幅広い回転域で発揮される25.5kg-mの最大トルクは、望んだその瞬間、シフトダウンさせなくても即座に欲しいだけの加速をもたらす。小排気量故に吹け上がりも軽快だ。
惜しいのは179psの最高出力を発生する6200rpmから先で、如実に伸びが衰えること。7000rpm手前まで回るには回るが、あまりソノ気を起こさせない。しかしながら、瞬く間に変速を繰り返すDSGとの組み合わせが実現するキレの良い加速感には、それだけでヤミツキになりそうなほどの刺激があふれている。
ドイツで試乗した車両は、Dレンジでも減速時に積極的にシフトダウンする“好戦的”な躾けだったが、今回の試乗車はそれほどでもなかった。もちろんパドルスイッチあるいはセレクターレバーを操作すれば、電光石火のマニュアル変速を楽しめる。
フットワークはやや腰高感があり、硬めの乗り心地からするとロールもするが、肝心なスタビリティは際立って高い。それでいて、擬似LSD的な働きをする“XDS”の効果もあって、決して曲がらないわけではなく、コーナー立ち上がりでまだ舵角が残っているうちから躊躇せずガンガン踏んでいけるのは爽快の一言である。
但し、この電子制御がサーキットのような限界域でどんな動きを見せるのかは微妙なところ。最新のゴルフGTIなどは、軽くテールスライドさせただけで制御が介入してしまい、高い安全性の一方で、走りを楽しみたいユーザーに物足りなさを感じさせている部分もある。改めて、そうした領域でもテストしてみたいところだ。
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