レクサスの主力SUV! 新型「NX」試乗 4種類も用意されるパワートレーン、どれが推し?
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 170
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 170
新型NXは、新世代レクサスの第一弾でもある。車台が新しいだけでなく、インフォテインメントシステムや安全装備もこのクルマを皮切りに新世代へと切り替わった。14インチのディスプレイはタッチ式となり、レクサスが長らく用いたトラックパッド風の操作系は廃止された。画面の右端に項目が並び、どれかを選ぶと左に詳しいメニューが出てきて、必要な操作を行う。ドライブモードとエアコンの温度調整を除くほとんどの機能を画面タッチで操作するため、センターパネルの物理スイッチの数は減った。
その代わりステアリングホイールの左右の親指がくる位置に、十字スイッチをはじめとするスイッチが配置され、さまざまな操作が可能となっている。左右どちらかの十字スイッチに触れるとそれぞれで操作できる項目がヘッドアップディスプレイに大きく表示され、ドライバーは前を向いたまま操作できる。操作できる項目が多いため求める機能を素早く呼び出すには慣れが必要だが、指の操作とヘッドアップディスプレイの動きが連動するので直感的操作が可能だ。「Heyレクサス」と呼びかけて起動させる音声認識サービスもあり、いずれかの方法でスムーズな操作ができるだろう。
運転中に何度か自動的に減速したのだが、なぜ減速したのか理由がわからないことがあった。「プロアクティブ・ドライビング・アシストが作動したのだろう」と開発者。あらためて試すと、なるほどカーブの手前で減速したほか、先行車に接近した際も自動的に減速した(ACCを作動させていなくても)。正直、おせっかいが過ぎる(具体的にはカーブ前の減速が著しい)と感じたのだが、その介入を遅らせることもできるし、オフにすることもできると聞いて安心した。
安全装備はトヨタとして最先端のものが付く。また快適装備も他社にあるものはほぼ何でも付いている。スマホをキーの代わりに機能させることもできるし、OTA(Over The Air:無線通信)も可能。スマホの専用アプリを使って、並列や縦列の出入庫を車両外部から操作することもできる。至れり尽くせり、おもてなしだ。新型NXは昔から得意とするこうした部分を確実に押さえつつ、特徴あるスタイリング、動的、静的な品質、先進性など、プレミアムブランドとして備わっているべき本質的価値を着実に底上げした意欲作だ。
ともあれ、全方位の次世代対策に取り組むトヨタ/レクサスの最新作ではあるが、少なくともこの日試乗した限りにおいては、吹け上がりがよくパワフルなエンジンに適切によく働く足まわりが組み合わせられた、コンベンショナルな350Fスポーツが最も好印象だった。
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