吉田匠×新ボクスター&理想のボクスター論
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:ポルシェジャパン
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実は今回、確保できたホテルの関係とかで、走ったのは昔のタルガ・フローリオの公道コースとは反対方向の道だった。けれども、狭くて曲がりくねっていてアップダウンがあって、しかも場所によっては路面が荒れているという点では、僕がこれまでに3回にわたって走った経験があるタルガ・フローリオのコースと基本的には同質の道に思えた。
で、そこを走り始めた908/3カラーのヤル気バージョンは、19インチタイヤを履いた派手な出で立ちとは裏腹に、洗練された乗り味で僕を驚かせた。このクルマのサスペンションは、全体に気持ちよく締まっているにもかかわらず微小入力のショック吸収性が極めて優れていて、路面の当たりが素晴らしくスムーズなのだ。おそらく、オプションのPASMの特性変更とタイヤの低空気圧化が効いているのだろう。しかもそれでいて、ステアリングの感触、およびその操作に対する反応はニュートラルで、切り込むと同時にドライバーが想定したとおりのクイックさで向きを変え、狙ったとおりのラインを駆け抜けていく。テスト初日のシチリア島北西部には突風が吹き荒れていたから、深い谷を渡るブリッジの上ではステアリング操作に神経を集中する必要を感じたし、道路を粘土質の土が覆った場所では当然ながら細心のスロットルワークを要求されたが、それはそれとしてボクスターの実力の高さと気持ちよさをあらためて見直した気分になったものだった。
それに加えてパワーユニットも好印象の大きな要因だった。310psと360Nmを生み出す3.4リッター直噴フラット6はあくまで滑らかに回転し、ケイマンSより5kgだけ重い1355kgのボディを、7段PDKを介してドライバーに充分な快感を呼び起こさせるペースで引っ張り上げる。しかもこのヤル気バージョンには、もうひとつサプライズが備わっていた。コンソールに見慣れぬマークのボタンがあり、それをプッシュするとマフラーのバルブが開いて、ボクスターのものとは思えぬほど妙なる音色のエグゾーストノートを高々と奏でるのである。というわけで、908/3カラーのヤル気バージョンに乗ってすっかりニューボクスターの魅力にやられて、シチリア島でのテストドライブ初日は終わったのだった。
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