新エンジン搭載。ヴォーグ&ディスコ4に試乗!
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:中野 英幸
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今回のレポートは前置きがちょっと長くなりそうだ。というのも、環境問題とクルマの魅力との関係について、改めて考えさせられたから。レンジローバーヴォーグとディスカバリー4。オフロードカーの老舗であるランドローバー社が送りだすこの魅力的な2台は、実はプリウスもビックリというエコカーでもある。なぜなら、走行7万2000キロまでのCO2排出量が「実質ゼロ」だから。
ともに車重は2.5トンを超え、かたや5リッターV8+スーパーチャージャーの510ps、かたや5リッターV8の396psを搭載する大型SUVが二酸化炭素を発生しない? そんなことあるワケないじゃんと考えるのは至極当然のことだし、実際レンジローバーヴォーグもディスカバリー4もCO2をじゃんじゃん排出する。たとえばレンジローバーヴォーグの二酸化炭素排出量は348g/km。これはプリウスのほぼ4倍に相当する。
では、ランドローバーはどんなマジックを使ってCO2排出量をゼロにしたのか? 使ったのは、カーボンオフセットプログラムという仕組みだ。再生可能エネルギー事業や植林といったCO2削減事業に資金を提供することで地球トータルでのCO2削減に貢献し、自車のCO2排出量を相殺するという考え方である。具体的には、タジキスタンの水力発電やトルコの風力発電、中国の風力発電工場に資金を投入するという。要は、他のところで頑張るからクルマの燃費が悪いのは勘弁してということである。
これまではアウディが購入者に1トン分のカーボンオフセットを無償(アウディが負担)で提供していたが、ランドローバーは車両価格に7万2000キロ分のカーボンオフセットを上乗せして販売する。では7万2000キロ分のCO2とはいったい幾らに相当するのだろうか? 上記の348g/kmをもとに計算すると排出量はおよそ25トン。現在の相場は1トンあたり約4200円だから、ユーザーが支払う上乗せ分は10万円とちょっと、ということになる。
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