XKR-S、ニュルで試乗 ライバルは911ターボ
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:ジャガー・ランドローバー・ジャパン
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:ジャガー・ランドローバー・ジャパン
実際はニュルを使ったコンボイ走行なので、自在にスロットルを全開にできない悔しさが残ったが、ニュルだけは主催者も慎重にならざるを得ない。失敗すれば簡単に大事故となってしまうからだ。
チェッカーフラッグのイラストがついたスイッチを押すと、ダイナミックモードになる。サスペンションやトラクションコントロールの閾(しきい)値がよりスポーツ方向に変更される。ギアはDからSに切り替えるとシフトポイントがレッドゾーン近くとなる。ステアリングの背後にあるパドルスイッチでギアを選択すると固定される。基本的な操作手順を確認してからベルトを締めた。
さっそくコンボイ走行開始だ。エンジン音はXKRよりも大きなサウンドがヘルメットをかぶっていても聞こえてくる。550psは伊達じゃなく、タイヤが冷えている時は簡単にパワースライドに持ち込める。
ステアリングは手応えを充分感じるが、全体的には軽目の設定だ。軽くても芯があるステアリングのフィーリング。これはジャガーのこだわりであり、XKR-Sを上手に乗るには、繊細なタッチが必要とされる証なのだ。
サスペンションがハードになったが、ニュルではまだソフトに感じることがある。前半の山場である下りの超高速コーナーでは、もっと車体のロールを抑えたいところ。しかし、後半のワインディングコースはドンピシャのサスペンションセッティングだった。ニュルの最高速は上りの2kmの直線で270km/hを超えるとジャガーは言うが、たしかに、コンボイでもその片鱗を伺うことができた。
軽く走っても9分くらいのラップタイムだ。ジャガーの関係者に聞くと、7分50秒前後では走れるはずだと述べている。XKR-Sはそのポテンシャルや室内の作り込みの質感などではちょうどポルシェターボに似ている。異なるのはトルコンATを使っているので、街中では英国紳士が好む高級クーペに変身できることだろう。
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