トップ・オブ・ジャガー XJでサーキットを走る
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:菊池 貴之
全長5135mm×全幅1900mm×全高1455mm、ホイールベース3030mm、車両重量1850kg…果たしてこれほどの巨体を持つサルーンが軽快にサーキットを駆け抜け、さらには写真のように大胆なポーズを取ることすら可能だと、誰が想像しただろう。
しかし実はここにこそ、ジャガー新型XJの、いやジャガーが世に送り出すモデルとしての、真骨頂がある。「美しく速いクルマを創造すること」を使命とするこのブランドの“らしさ”=“エレガンス”の原点がここにある、といえるのだ。
今回新型XJを富士スピードウェイのショートコースで走らせると聞いた時、僕は正直この巨大なフラッグシップ・サルーンが一体どれだけサーキットを走れるのか? と思った。なぜならば僕の頭の中で、ジャガーとサーキットが素直には結びつかなかったからだ。
もちろん歴史を振り返れば、ほかの伝統&名門の欧州ブランドの例に漏れず、ジャガーもまたそもそもはスポーツカーメーカーであり、コンペティションで名を馳せてきた歴史もあれば、近年ではル・マンやF1にも名前を連ねてきたという経緯を持つことは知っている。しかし僕の中では、そうしたバックグラウンドと市販車はシンクロしない別のものに思えていたし、事実最もスポーツ性の高いモデルであるXKですら、スポーツカーというよりもハイパフォーマンスなラグジュアリークーペという認識の方が強かった。翻ってフラッグシップ・サルーンたるXJをして、どうしてサーキットを想像できようか。
だが、ひとたび新型XJをコースに解き放った瞬間、全ての疑問がスッと払拭されると同時に、全ての要素がシンクロしたように思えた。そうか、これだからこそジャガーとサーキットは深い関係にあり、ここにジャガーらしさの原点があるのか、と理解した。
それほどまでに新型XJはサーキットで雄弁だった。驚くほどに。
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