クラウンマジェスタ試乗、無機質も魅力なり
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:小林 俊樹
“トヨタのフラッグシップ”として開発されたマジェスタは、装備面も技術面もレクサスLSに決して引けをとらない。速度に応じてステアリングギア比が可変してステアリング操作量を少なくする「VGRS」や、それと協調制御して車両の安定性を高度に保つ横滑り防止装置「VDIM」、さらには後席左右間にもエアバックを採用して側面衝突時に後席乗員同士が頭をぶつけることを防ぐなど、安全面への造りも最新技術を駆使している。
そのなかでも特筆すべきは、プリクラッシュセーフティシステムの進化だ。ミリ波レーダーを使い、衝突を事前に検知してシートベルトの巻き上げやブレーキの予備準備などをするこのシステムは、従来までは“正面”の障害物にしか対応していなかったが、“斜め前方”の障害物も検知できるようになり、出会いがしらの事故にも対応した。加えて、後席リクライニングを衝突前に自動で引き起こす、プリクラッシュシートバックを設定するなど、“世界初”の最新技術が満載された。
和のテイストを表現した内装の造りからは、高級感と細かな気遣いを感じる。ステアリングやシフトノブは天然木を削り出したもので、木目模様を含め一つとして同じものが無い。しかもその木目を強調する表面加工がされているので、プレミアム感は非常に高いのだ。
さらに注目は後席の快適性。5メートル未満の全長は、最近の高級セダンに照らし合わせると小振りなサイズだが、ホイールベースは先代マジェスタやクラウンより75ミリも長く、それが全て後席スペースに割かれている。トランクスペースも、先代モデルと同等レベルの523リッターを確保。一切の犠牲を払わず後席を広くしたパッケージは、見事な仕事と言える。
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