1t超もその魅力は輝きを増すーー新型ロードスターは“小さな”変化で走りを“大きく”進化させた
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:市 健治 27
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:市 健治 27
今回レースベースグレードである「NR-A」の試乗車はなかったが、実はcarview!編集部のH君が自身の初期型NR-Aを持ち込んでくれていた。初期型のNR-Aは確かにEPSの初期応答性が悪かったが、切り込んだ後ビルシュタインダンパーの減衰力が素早く立ち上がり、挙動を安定させてくれていた。
となると今回の改良が施された新型NR-Aのハンドリングは、かなり良くなるに違いない。
NR-Aはレースでの使用を前提にサイドエアバッグを省いているが、先進安全技術は標準装備だ。朗報は、今回から8.8インチモニターが標準となり、「マツダオンラインナビ用SDカード」の購入でマツダコネクトが使用可能になったこと(フルセグの地デジTVチューナーとBOSEサウンドシステムは選べない)。
電気系を刷新したことで、わざわざオーディオコントローラーを新設するよりは8.8インチモニターで統一する方が、コスパが良いとのことだ。だからナビはなくても、スマホをミラーリングできる。
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また2.0L直列4気筒(184PS/205Nm)を搭載する「RF」も、大きく質感を上げた。
出力こそ184PS/205Nmのキャリーオーバーだが、6MT仕様のエンジン制御には1.5L同様最新の駆動力制御ロジックが用いられた。特にRFは排気量が大きな分だけ、アクセルを緩めた際トルク変動が滑らかになっているのがわかりやすかった。サウンドは旧型の方が荒々しく感じたが、洗練度では断然新型の走りがキャラに合っている。
総じて新型ロードスターは、マツダの言葉通り大幅な進化を遂げていた。何より残念なのは、メカニカルなもの以外、今回のアップデートがレトロフィットできないことだ。エンジンマッピングはもちろん、LED灯火類、そしてステアリング周りを旧型に移植することができないのだという。
このマイナーチェンジでロードスターの車重は、一番軽量な「S」でも1tを超えた。しかしそれと引き換えにしても、今回の改良には価値があると筆者は感じた。曲がり角をひとつクリアするだけで、その進化は体感できる。だからぜひ旧型オーナーは、ディーラーでその走りを確かめてみて欲しい。
そうしたら何人かのオーナーは、きっと新型へと乗り換えることになるだろう。そしてアナタの旧型が中古車市場でさらに買いやすい状況になれば、若者たちにもNDロードスターの魅力を分けてあげられることになる。こうして次世代に、意のままに操る愉しさを受け継いでいこうじゃないか。
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