新型ロードスターには作り手の強いメッセージがある・岡崎五朗
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:菊池 貴之
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6速ATを選ぶと、スペシャルパッケージにもレザーパッケージにもリアのスタビとボディ補強パーツは付かない。そのことからも、6MTの両グレードが本格的スポーツ走行を重視していることがわかる。つまり、ATを選ぶと上位グレードでもMTのSとほぼ共通のキャラクターになり、レザーパッケージを選択すればシートヒーターも手に入ることになる。とはいえシートヒーターのためにATを選択するのは非現実的。ATorMTは、やはり走りの違いを念頭に置いて決めるべきだ。
トルコン式6速ATはマツダ独自のスカイアクティブ・ドライブではなくアイシンAW製だが、ロックアップ領域が広く、一般的なトルコン式ATと比べるとダイレクト感はかなり強い。電光石火のごとき変速スピードを含め、デュアルクラッチにも負けないドライビングプレジャーを得られるのが自慢だ。それでいて、デュアルクラッチがやや苦手とする極低速域ではトルコンならではのイージーさがちゃんとある。コンパクトなボディを含め、運転があまり得意ではない奥様にもためらうことなくキーを渡せるのがATモデル最大のメリットだ。もちろん、疲れているときや長い渋滞時でも、ATのもつイージードライブ性は大きなアドバンテージになる。一方、ワインディングロードなどではパドルを使った小気味よいシフトも可能だ。
とはいえ、MTと乗り比べてしまうと運転する歓び、自分が積極的にクルマを操作しているという実感はどうしても希薄になる。今のところ、約75%のユーザーがMTを選択しているそうだが、その結果を聞いて、うんうん、さすがロードスターオーナーはドライビングプレジャーのなんたるかをよくわかっているな、と思った。スタイルとしてライトウェイトスポーツを楽しむのであればATも悪くない。が、せっかくロードスターのようなクルマに乗るなら、ここはMTを第一候補にしておくことをオススメしたい。
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