クアトロポルテの入門グレードに試乗。マセラティが進めるブランド改革とは?
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:篠原 晃一
イタリア車に関心を寄せながらも、「買ったら苦労しそうだからなぁ」なんて理由で敬遠している人は少なくないはずだ。筋金入りのマニアにしてみれば、故障を気にして好きなクルマを諦めるなんてナンセンスだ、ということになるのだろうが、僕に言わせればそういう人たちこそ変わり者であって、購入の際、故障を気にするのは当たり前のことである。
けれど幸いなことに、最近のイタリア車はフィアットからフェラーリに至るまで、すべからく品質が高まってきている。ひと昔前のように故障前提で付き合う必要はもうない。となると俄然光ってくるのがクルマそのものの魅力だ。
2014年に創立100周年を迎えたマセラティは、とてもイタリアらしいブランドだ。貴族的な雰囲気という面に注目すれば、フェラーリ以上かもしれない。過去には苦しい時代もあったが、98年にフェラーリのコントロール下に入ってからのマセラティは、「アルファロメオよりもスポーティーで、フェラーリよりもラグジュアリーなクルマを作るハイブランド」という絶妙な居場所を獲得している。
当時フェラーリを率いていたモンテゼモロは、マセラティを「イタリアのジャガーにする」と漏らしていたというが、美しくて速くてエレガントというキャラクターは、まさにジャガーとオーバーラップする。ただしそれを実現するセンスと手法はあくまでイタリア流である。
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