「日本はもっと車を買え！」ドル＝120円も見えてきたトランプの“ドル安砲”でアメ車は売れるか？

キャデラック XT6

トランプのディールでアメ車が安くなる可能性が高い

トランプ大統領に限った話ではなく、共和党・民主党のどちらの政権であっても、アメリカは「日本ではアメ車が売れていない、これは非関税障壁があるからだ」と主張することは定番となっています。

もちろん、日本のユーザーからすればアメ車を買わないことに合理的な理由もあるわけですが、トランプ大統領に見えている世界にはそうしたユーザーの合理的判断という要因は存在しないでしょう。

あくまで、日本政府がアメ車を排除する政策を取っているというロジックで交渉してくるはずです。日本からアメリカへ輸出する自動車への関税を引き上げるなどのディール（取引）を仕掛けてくるでしょう。

日本側としては、当然ながらアメリカ側の企業努力を要求することになります。そうであれば、アメリカの自動車メーカーは、ドル安となった為替レートに合わせて価格を改定するといった対応をすることになるはずです。

キャデラックやジープといった伝統的なアメ車ブランドだけでなく、トランプ政権において重用されているイーロン・マスク氏が率いるテスラもドル安に合わせて価格改定（値下げ）をしてくることが期待できるでしょう。

ドル安は、アメリカへの輸出で稼いでいる日本の自動車産業にとってはネガティブな要素ですが、ユーザーレベルでいうと「アメ車が買いやすくなる」というメリットにつながるわけです。

投資には無縁と思っていても、中長期的な為替の動きについては注目していくと、アメ車を購入するベストタイミングを見つけることができるかもしれません。

（終わり）

（写真：アフロ、キャデラック、ジープ、テスラ）